2012
12/19

冬だね

釣行記 / comment : 14 / trackback : 0

「秋だなぁ」なんて感じる暇もなく冬がやってきた。

秋田は、夏から冬への速度が非常早いとよく言われるが、今年は特にそんな感じだ。
海に行って体で季節を感じなかった事も大きな原因かもね。11月頭のＧ杯男鹿予選会の中止で、何かが切れた感じだったが、彼らのお蔭で随分と和み、また釣りの楽しさも再認識したり。

・・・そしてまた仕事に忙殺される日々が続き12月も終盤を迎える。

例年ならば天気図と睨めっこし、ワクワクしながら週末を迎えたものなのだが、どうにも時間が足らず、ヘトヘトで週末を迎える・・・何かいかんな、こりゃ。普通のサラリーマンになってしまいそうだ。

金曜日の出勤前に、小屋から大量のコマセと釣り道具を引っ張り出し、早々に車へ詰め込む。

明日は何が何でも海へ行こう。自分が変わってしまいそうだ。
土曜の深夜、三男坊を起こさんように、久しぶりにコソコソと準備をしたのだが、やはり起きられた。彼も防寒を着て外まで出て、手を振って送ってくれた。

加茂漁港へ4時過ぎに着くと、車は1台。あ、今は6時出船だったな。それすら忘れている。まぁ、いいか。気温は思ったより高く、様々な想いを頭に浮かべながら渡船場をウロウロしていたらヒロ兄がやって来て、しばし雑談。チヌは相当釣れてるみたいだけど、殆どが30ｃｍクラスらしく、最近はメジナの情報も少ないらしい。水温はまだ13度もあるんだけどね。

前日の暴風によるウネリが結構残り、ドガドガと尻を叩かれながら門前へ。福舘島へ上がる。
時折大波が這い上がるため、頂上まで荷物を持って上がり、岩陰に寝転びながら夜明けを待つ。
なんか、独りでこの雰囲気を味わうのも久しぶりだ。

潮騒と言うには乱暴すぎる「ドカーン！ザバザバザバ・・・」という音を1時間も聞いていたら夜が明けてきた。

どれどれ、どんな感じかな。見るからに鯛の海・・・色的にも。

それでも浮かせることを考え、ＴＲとＶ１０をベースにコマセを練る。

そうそう、これこれ。

知る人ぞ知る、幻とも言われる「浅野杓」宮城の友から送って頂いたのだ。家でも散々と振り回したのだが、ちょっと今までにはない感覚・・・これはヤバイ。持ってる感じがしない。

しかし、ただ軽いのではなく、程良い柔らかさと絶妙の重量バランス。製作者様が、どれほど釣りを愛しているかが伝わってくる。
しばし、竿を持たずにあちこちへコマセを投げ入れる事30分。いかんいかん、もう満足してしまっているではないか。釣りをしよう。

まずは、いつものパイロット仕掛けで様子を見る。

左右から定期的に大きなサラシができ、正面に潜り潮が発生する。まずは0ウキのノーシンカー＋ハリス2.5ヒロで潜り潮へ仕掛けを入れるも、4ヒロ付近まで入れるとチャリコが連発。その後も正体不明のエサトリに翻弄されたため、針を3番に落とすとウマズラとタナゴが釣れる。まだまだ海に中は秋を引きずっているようだ・・・という事は。

持論なんだけど、この時期は特に「下から」ではなく、「上からナンボ」で組み立てた方が分かり易く、結果が出る事も多い。

「がまんがまん。」「この辺か・・・いや、もう少し上か。」

ウキが水平移動するようなアタリに、ゆっくり合わせを入れる。竿は叩かれず、魚は重量感たっぷりに左右に逃げる。久しぶりに味わう、グレの引き。

頭に残っていた妙なモヤモヤは何処かへ吹き飛び、これまた久しぶりに脳が釣りに支配されるとでも言うのか、汗をかき始めたとでもいうのか。分かるよね？この感じ。
「もう少し上かな？」「いや、Ｇ８か、７か」

今度は先ほどより明確なアタリで・・・

こんな時に検証してみると面白いもので、３ＢにＢを段打ちし、立て気味に沈めると・・・

こんなんが4連チャン。やはりね。

「はい、正解で～す。」

仕掛けを元に戻し・・・

はぁ。楽し・・・。

10時を過ぎると、ウネリは弱まったものの、上はサラシで沖へ引っ張られ、2ヒロから下では結構な当て潮に。こんな時は迷わず・・・

これも「浅野杓」同様に、製作者の魂が入ったアイテム。
今年は随分とこれに助けられたけど、0ウキ＋長ハリススタイルの延長としては、まだまだ使いこなせていないというか、もう少し先がありそうな感じ。本当に八郎さんの釣りを見てみたいもんだよ。

15ｍラインへ仕掛けを入れ、カウントダウンしながらコマセを入れる。上ウキとは逆に、視認性の高い「ツーシンカー」が手前へ引き込まれ、2ヒロも入ったろうか。これまでのグレとは違い「スパッ！」と言う感じでウキが入る。

「チャリコ？お、おっとっと！」

アワセと同時に、猛烈に右の根へ突進。竿を持ったまま右へ走り、何とか根ずれを回避。しかし今度は左へ走り、沖へ行ったり。「こりゃヒラマサ？かな？」でも、そんなに慌てる事無く、上手い具合に寄せれた。

「どれどれ、獲物はなんだべ？・・・ゲッ！！尾長じゃん！」

関東以南の方々にすれば当たり前の魚なんだろうけど、男鹿では幻ともいえる尾長グレ。僕も3度ほどそれらしき奴にやられているけど、掛けて姿を見るのは初めて。相当なニヤケ顔になっていたと思う。
サイズ的には45ｃｍ位かな。
1発目、完全に空気を吸わせてからタモを入れるも、高台という事とサラシが邪魔をして失敗！下へ再び突っ込まれる・・・が、何とか回避し、二回目。

が、下手くそである。また失敗。「なにやってんなや！」今度は少々沖目で浮かせ、そのままタモへ滑り込ませようとしたのだが「ドドーーン」とサラシ。
再び下へ突っ込まれ、あえなくウキ下からラインブレイク。

「あぁ～あ・・・ふぅ。下へ降りれば良かった」

でも、面白かったな、今のは。ま、釣ってしまうと楽しみも少なくなるし。また次回だな。

その後も2尾程追加したが、尾長の気配は無し。

変なプレーをした訳では無いのだが、最近は股関節が痛くてね。まだ早かったけれども、昼には竿をたたみ、海を延々と眺める。来年へ向けての想い・・・今年も色々とあったな。

社内的にも色々と変化があり、今後の釣りに影響してくる事は間違いなく、そして避けられない。
そして年が明ければ、45歳である。はぁ・・・食ったもんだ。

来年以降の"立ち位置"

時間が無いなぁ。でも、素晴らしい仲間が沢山居るから何とかなるかな。