2011
12/15

G杯争奪グレ決勝大会 ~試合開始~

釣行記 / comment : 6 / trackback : 0

携帯の目覚ましで三時半に起きる。

昨年は不安もあってドタバタとホテルを出たのだが、今年はシャワーをザッと浴びて男前を整え、雰囲気を噛みしめながら車へ乗り込む。
既に殆どの選手は出発を終えており、最後に宿を出た高園さんの車の後を追った。

これも昨年と大きく違うのだが、漁港までの車中どうにもワクワク感が止まらなかった。

満車になった駐車場の一番手前に車を止め、時計を見てスケジュールをチェック。
準備を終え、顔見知りの選手と談話。
空は今日も満天の星空。良い天気になるだろうなぁ・・・と、去年の自分を思い出し、少し可笑しくなる。

とてつもなく泡食ってたよな、確か。

点呼とエサ配布の説明が始まる。
どれどれ、昨年は岩のようなオキアミだったが・・・これは覚悟せねばな。

今年は携帯用のスコップを持参していた。
だが、今年は程良い感じで解凍されており、少々拍子抜け。

ちなみに昨年は駐車場の外れにあったコンクリートブロックで叩き割った。

エサを作る。
配合は昨年と同じくマルキューの「Ⅴ9」
これを全部では無く、2試合分を作る。
時間の経過と共に拡散性が落ちるという判断。これも昨年の教訓と、秋田でも何度も試した事である。
ただ、オキアミだけは完全に解凍されると細かくできないため、一旦細かく砕いたものを再び袋へ詰めた。

何艘もの渡船が港へ集結し、徐々に緊張感が高まっていく。ただ、妙に落ち着いていた。
10年前は加茂の1番船の雰囲気でビビっていた男。変われば変わるもんだね。

PC050702.JPG


最終点呼を終え、荷物を積み込み・・・一斉に船が出る。

長くて厳しい戦いが始まった。

10分以上も走っただろうか。
まずは片伯部さんと伊豆の選手?が磯へ下りる。

「次!15番と17番の選手。前で準備して下さい」

17番という事は・・・

激戦区の五島予選を1位で勝ち上がった赤崎さんか。
誰が来ても経験や技量が僕より上な事は明らかである。
ただ、勝負というものは何が起こるか分からないもの。

「慌てず、焦らず・・・自分を信じて」

友から言われた事を思い出し、噛みしめるように呟く。

「はい、行きますよ!」

比較的大きな地礒へ渡った。
審査委員の池永さんから注意事項等の説明を再度受け、船は慌ただしく磯を離れた。

じゃんけんで勝った選手が右側へ入るルール。
昨年はジャンケン全勝だったのだが、今年は負けて左側からのスタートとなった。

これも昨年の経験なのだが、1回戦が始まるまでは結構な時間があるのが分かっていた。
薄暗い海を見ながら、落ち着いて仕掛けを作り、立ち位置を決める。

空が赤く染まり始め、刻々と開始時間が迫る・・・2分前・・・1分前。

よし、時間だ。

「よろしくお願いします!」

赤崎さんと海へ向かって頭を下げ、試合開始。

潮は左から右へゆっくりと流れる。
際へ入れたコマセには、すかさず鰺とキタマクラが反応し、その外には巨大なウスバハギ。
投げ過ぎると潮が速く、すぐにセンターラインを越えてしまうため、少々潮が緩い竿2本チョイ先を狙う。
昨日、1番目に入った磯と、ほぼ似たような状況。

磯と平行に流れる潮。長ハリスだと、どうにもコマセと合わせ難い。
鰺も沖に出ていく・・・餌が通らない。

仕掛けを入れるタイミングを「3秒・・・5秒」と遅らせ、エサが通るタイミングを探る。
「スゥッ」とウキが入り、アワセ!
しかし乗ったと思った直後に針が外れた。

グレだと思うのだが・・・ちょっと早かったか・・・いや、アワセが強すぎるのか。

G7を外し、針を4番に落とす。

だが、その後はアジに悩まされ・・・前半戦終了。

終わり間際には竿下でグレが見えていた。これはヤバいかも・・・。

後半戦。

潮下はスペースがかなり広い。これならしばらく流せそうだ。
だが、エサトリは前半戦より多かった。

左際にコマセを何杯も入れ、仕掛けは右へ遠投。
今度は前半戦と違い、コマセと付け餌は合わせやすかった。

しかし反応が悪い・・・徐々に終了時間が迫る。どうするか・・・
思い切ってポイントを変える。右の奥がワンドになっており、泡がたまっていた。
潮は動いていないと思うが、いちかばちか。

「スゥッ」とウキが入る・・・まだまだ・・・

ラインが少し走ったと同時にアワセ!!

「グゥ~ン」と、右の際へ突っ込むのをいなし、上手く手前まで運ぶ。

キープサイズの30cmはゆうにあるだろう。待望の1尾目。

しかしその後はアイゴが2発。ワンドにもアジが入り・・・終了時間を迎えた。
船が磯へ近づいてくる。急いで片付け、ライブウェルを持って船付きへ走る。

対戦相手も1尾釣られており、重量勝負・・・微妙だが・・・おしっ!!

まずは1勝を挙げる事が出来た。

船へ乗り込み、慌ただしく次の試合のコマセをバッカンヘ詰め込む。
よし・・・気持も落ち着いている。

PC050704.JPG

「次!13番と15番の選手、準備して下さい」

「やはり2試合目か。スゥ~フゥ~」大きく深呼吸。

2回戦は片伯部さんである。

船が小磯へ近づく・・・出来ればもっと広い磯でやりたかったが仕方がない。
磯へ上がり、開始時間と終了時間の確認をした後、ジャンケン・・・あ、また負けた。
2回戦も左からのスタート。

釣り座は、左に水面から顔を出した大きな根があり、その間を定期的に大きなサラシが「ガバーーーッ」と右へ。
その先はすぐにセンターライン。
これは少し難しそうだ。また、釣り座も広くはないため、気をつけて竿を振らないと当たる可能性もあった。

挨拶を交わし・・・試合開始。
まずは足下へコマセを入れて様子を伺うも、やはり数秒間隔でくる大サラシが邪魔になり、何処を釣るかのイメージが湧かない。

サラシが落ち着いたタイミングで仕掛けを入れても、数秒後には「ガバァ~ッ」とセンターラインまで持っていかれる。

開始5分。いきなり片伯部さんの竿が大きく曲がる・・・余裕のやり取り。
35強かな・・・。
なるべく相手を見ないでの釣りを考えていたのだが、立ち位置の関係で嫌でも目に入る。

5分も経たないうちに2尾目。これは40cmか・・・。

「いやいや、自分の釣りに集中しろ」
と何度も言い聞かせるが「ガバァ~ッ・・・」

「何処をどうやって釣るんだ?」

テンポも何もなく、ただただ時間だけが過ぎていく。

片伯部さんの釣り座も、当て潮が強くなっていたが、それでも的確に数を伸ばしていく。

3尾目・・・4尾目。

50分ハーフの試合。前半で3尾以上の差をつけられたら厳しいと思っていた。

割り切って前半戦を諦め、ウキをMサイズに交換。
というのは、徐々に風が強くなり始めたのだ。
後半戦はおそらく強い向かい風になるだろうという早めの判断だったのだが・・・

終了間際に5尾目を追加される。もう決定的かもしれない。

前半戦が終了し、釣り座交代。

チラ見して狙いをつけていた場所へ仕掛けを振り込む。
しかし・・・程なくすると強風が暴風に変わる。
帽子も何度も飛ばされそうになり、いくら遠投しても15mも投げれない。
コマセのコントロールもまばら。

体感にして・・・13~14mも吹いているだろうか。

潮は風も手伝って、結構な勢いで当ててくる。

ウキ止めを入れ、ストッパー下にG5を打つ。投点も少し左にずらし、サスペンドさせたウキをセンターライン付近を流すと「ズバッ!」とウキが入った。

「グゥ~ン」と右へ突っ込む。
前へ出て耐えるも、足下のテーブルに突っ込まれ・・・ラインブレイク。

「くぅぅっ・・・」

時間だけが急いで過ぎていく・・・残り15分・・・もはや無理か。

しかしここでまたもや針外れ。

遅合わせを心掛けていたはずなのだが、やはり焦っていたのだろう。
残り10分。明らかにキーパー外の25cm。
続けて・・・29cm?微妙なサイズ。

強風で「キーーーン」という糸鳴りに振り向くと、片伯部さんの竿が大きく曲がっている。
取り込んだのは45cm級・・・終わった。

少々時間は残っていたが、バッカンを持って片伯部さんの元へ行く。

「参りました。というか、このサラシでどうやって?やはり断打ちしてですか?」

「いやいや、打ってないよ。漂わせて3ヒロ半・・・かな。これは少し深かったね」

「ほぇ・・・ノーシンカーですか」

ニコニコしながら「風、凄かったね。釣りにくかったでしょ?(笑)」

「えぇ、もう何をやってるのかサッパリで(苦笑)」

その後も船が来るまで色々と笑顔で教えてくれる。

しかし・・・何と言っていいのやら。こりゃ敵わん・・・。何もかもがでかい人だ。

これがG杯を5回も制した人か。

風が吹く前に・・・という、少々の運があれども・・・結果は大きくは変わらないだろう。

最後の1尾は、正に実力の差。

結果、5キロ対0。正に完敗である。

大会中なのに「この人ともう少し釣りがしたい」という気持ちが湧いてしまい・・・
「いかんいかん、何しに来たんだ」と気合を入れなおす。

1勝1敗。もう負けられない。


それに最後の試合は間違いなくあの人だ・・・。

▲

コメント

投稿 : なか|2011-12-15

ん~~ん、ナイスな実況中継。
今年は最後まで、語れるようなドラマに遭遇せず…。

これからのハタハタに期待か?さみしーい。

でも、数釣りをしたいね。

投稿 : さあや|2011-12-15

初めまして。
片伯部さあやと言います。

ブログのお友達に、このブログを教えてもらいました。
G杯グレの様子がよくわかりました。
うちでは「勝った」「負けた」しか聞かないので・・。

さあやんのブログのお友達にも読んでもらいたいので、ブログで紹介させてもらいます。
m(__)m

うちの父親にも明日、見せます!!
(もう寝てるので・・)

投稿 : きし|2011-12-16

>さあやさん
いやいや、プロペラ機でも6万かかる遠距離までお越し頂きまして(笑)

率直に、パパさんは本当にビックでした。
僕も良かれ悪かれ様々な人を見てきましたが・・・
あの場面でも、すごく楽しんでるんですね(^_^)

なので「もっとこの方と釣りしたい」って・・・素直に思いました。大会中なのにね。

釣りを知りつつ、好きな上、更に楽しんでる人には、すごく魅力を感じます。

もう忘れてると思いますが、秋田のオッサンが感動してたと伝えて頂ければ幸いです。

来年は負けんぞ・・・色の黒さだけは(笑)

今回も色んな事を学ばせてもらいました。

勝ち負けは大事ですが・・・おっと、また後ほど書きます。

ありがとうございました。


また来年、父君にお会いできるように、1から頑張ります(^^)

シードじゃ無いのに、三年連続出場を目指して。

投稿 : きし|2011-12-16

>なかさん

ハタハタ釣れてるよ。

でも、水温高いのかなぁ。

まだまだ真鯛も行けますね(^^)

投稿 : 佐渡のS下|2011-12-24

大会お疲れ様でした。
また来年に向けて頑張ってください!俺も頑張ります!
G杯動画楽しみにしてます。
きしさん出てるかな??

投稿 : きし|2011-12-27

>S下くん

すまん、コメ見落としてた。ごめんなちゃい。

動画は・・・今年も名前だけかな(笑)
期待しないで見てみて下され。

来年、またお会いできる事を楽しみにしております。
天候に恵まれると良いですね。

また、来年もお互いに素晴らしい1年になりますように。

ありがとうございました。

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きし

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幼き頃の投げ釣りに始まり、途中空白期間を経て20代後半から本格的に海釣りを再開する。
黒鯛、メジナ、真鯛を求めて通年海へ通う。年間釣行日数60日

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男鹿半島加茂沖磯(フカセ)
船川港(紀州釣り)

・紀州釣りクラブFreedom East所属
・マルキューフィールドテスター
・東レフィールドスタッフ

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