2011
09/26

再び海と ~G杯チヌ男鹿予選~

釣行記 / comment : 4 / trackback : 0

G杯チヌ男鹿予選会を翌日に控えた週末。
宮城から友がやって来た。

現場で働く彼は、瓦礫撤去などの復興作業は落ち着いたものの、連日連夜現場でフル稼働しているらしく、痩せていないか心配していたが、いつもの人懐こい笑顔に安心。
体も逆にパワーアップしたかな?

今にも落ちてきそうな星空の下、彼の車へ乗り込み我が家を後にする。
釣行回数が減ったためか?最近は長く感じる男鹿路も、車中でバカ笑いをしているうちに加茂漁港へ着いた。

風は無いものの、大ウネリが残る今日の男鹿礒。
少々無理を言って南磯の小桟橋へ渡った。

ここでも直ぐに竿は出さず、しばらくは景色を見ながらゆっくり語らう。
朝焼け・・・そして遠くの空には

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釣り人の特権。これだけでも満足だね。
30分も話したかな。ようやくお互いに腰を上げ、釣りを始める。

今年は数が多いサンバソウが、際に入れたコマセに黒い塊となって現れる。
それを嫌がって少々投げると、チャリコ連発。これが今年の秋磯のパターンかな。

何故かゆっくり感じる今日の時間。
もう7時過ぎかな?と時計を見ると、まだ6時半。その後も数時間のタイムラグがあった。
バカ話が会話の大半を占めていたが、たまには釣りの話も。

この海に対し、どうやって結果を出すか・・・。

重い仕掛けで逃げることは出来る。

硬い加工餌、ネリ餌でも逃げれる。

遠投して逃げることも出来る。

ただ、お互いに「これかな?」と同じような仕掛け、同じようなテンポで竿を振り・・・

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久しぶりに見る、尺超えの良型グレ。
その後もお互いに25cmクラスを連発。

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僕も掛けるのだが、やはり肩の痛みが取れず、アワセと同時に両手で竿を持って腰を落とす。
右腕だけで竿の操作は不可能・・・。

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もちろん、見ている人にはコッケイなやり取りに見えるだろうね。
魚を釣るたびに大笑いする友。
泥水と共に、小アジが大量にやって来た。

休憩がてら、ちょいとエギングロッドを取り出す。
もちろん僕は痛くて振れないから見学。

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「今年は悪い」と言われているアオリイカ。
なんのなんの、釣るは釣るわ。

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こんなんを短時間で11杯?も釣り上げた。
家族に良い土産が出来たな。

途中、1時間ほど磯場で昼寝し、再びフカセ開始。
彼は25~35のチヌも釣り上がる。
どうやら明日のイメージは出来たようだ。満面の笑顔。
さて、我が家へ帰ろう。

家へ戻ると、まずは三男君がお出迎え。

P9240585.JPG

前にも書いたが、人見知りが激しかった昨年。
誰が来ても泣いて懐かなかったのだが、不思議と彼には懐いでいたのだ。
「この人だ~れだ?」
ちゃんと覚えていた。

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大会前。しかも疲れているのに遅くまで付き合わせてしまう。
いつもながらこれには反省。まったく進歩しない男だ。

翌朝、ドタバタと2時に起き、男鹿へ向かった。

受付の駐車場には既に数十台の車があった。
以前と違い、もう変なマイナス思考の緊張なんて何処にもない。

最後から二番目に受付を行う・・・6番だった。
大会では初めて大竹丸に乗る事になる。ホームの加茂で大竹。言い訳はできない状況。
彼は戸賀を引いていた。
健闘を誓い合い、駐車場を後にする。

50名近い参加者が加茂漁港へ集結。
午前5時。一斉に漁港を出発する。

1回戦。僕は3名で「中ノ島ハナレ」に下りた。
同礁者は何度かお会いした事がある、全国経験者の成沢さんと石川さん。
挨拶を交わし、釣りを始める。

状況は前日の小桟橋と同様なのだが、サンバソウの数が倍くらい多い。
大会での時間はあっという間に過ぎるもので、釣果無しで釣り座交代。

2回戦は地方向きに入る。
こちらはサンバソウに混じって、小アジがワヤワヤ。
ま、こりゃどの場所でも同じだろうな。チャリコが少ないだけやり易いかも。

小アジの下に、たまにギラギラと何かが見えた。
居たいた。あれだなぁ・・・。
それを釣る事は釣ったのだが、これまた20cmにも届かない奴ばかり。

・・・2回戦終了。

漁港へ戻る。
コマセを補給し、ヒロ兄と座り込んでバガしゃべ。
なんか気持ち的には随分とリラックスしてしまった・・・いかんいかん。

3回戦。大桟橋のハナレへ下りる。ここは10年ぶりくらいかな。
頭の中を一度リセットし、気合いを入れなおして釣りするも、今度は何も居ない状態が続く。
同礁の石川さんも同じみたい。

だが、それは突然やってくるもので、おそらく1回目のアタリ?
石川さんの竿が猛烈に曲がった。魚の足は速くなく、何度もそいつは海底を「ズイッズイッ」と進むかのように重々しく突き進み・・・惜しくもラインブレイイク。

「いやぁ、石川さん。新潟まで行ってたね」

「そうそう、大阪に入ったら脱線みたいな(笑)」

その後はチャリコ・・・最後は小アジの猛攻。
やる事は全てやった。
ま、仕方がないさ。


そうして僕のG杯チヌは何事もなく終了した。


漁港へ戻る。
戸賀組が戻るまで、顔見知りの方々へ挨拶をする。
噂では全国常連の富木さんが50オーバーを釣り上げたとか。
こりゃ優勝は決まったかなぁ・・・と、本部前で雑談しているとG社スタッフが「あれ?富木さん越されてる」

思わず「え?誰ですか?」と検量カードを覗き込む。
・・・全身に鳥肌がたった。

P9250590.JPG

彼と共に全国各地を走り続けるシルバーの愛車が漁港へ戻ってきた。
ガッツポーズをしながら。

「やったぁ!おめでとう!」と思わず抱きしめあう。
しかし彼の第一声が面白くというか、それが彼らしいのだが・・・

「きしさん、どうしよう(笑)」

「どうしようって、しかだねすべ(大笑)」

本来、震災で中止だったのだが、メーカーの好意で復活した予選会。
なんと、全国大会は来週なのである。
そこから出た「どうしよう」なのだ。

それにしても、正に劇的な幕切れ。

P9250592.JPG

少しだけ紹介すると、前段に書いた・・・

重い仕掛けで逃げることは出来る。

硬い加工餌、ネリ餌でも逃げれる。

コマセを際、仕掛けは遠投で逃げることも出来る。


前日に二人で小桟橋で話していたこと。

一切逃げず、0号程度の仕掛けで真正面から攻める。

タナは深くても3ヒロまで。

馴染んで仕掛けが立つ直前~その数秒間が勝負。

重い仕掛けで本命は食わず、逆にエサトリが追う。

今年の特徴として、ボイル、加工餌の食いが悪い。

生オキアミで勝負。

仕掛けは細く、針も小針・・・。

なんて書くと難しい事を言ってるみたいだけど、単純に居る魚を自然体で釣りまくる。
その中で小さな変化を与え、変化を感じる。
要は子供の頃の釣りのように、発想を直ぐに行動に移し、純粋に釣りを楽しむという事。

物理的なものでエサトリから逃げる事を続けていると、手詰まりは意外と早い。

発想は個人的な差があれど、尽きることはない。

彼は大会でも前日同様に思いっきり楽しんだのだろう。

その辺が、僕はまだまだ彼に追いついていないのだろう。

思えば、大震災後の4月18日。
どうにかしたいという気持ちで行った「追悼」の集い。

P42403351.JPG

自宅の片づけ、気持の整理もついていない状態なのに、現地から駆けつけてくれた彼。

その後の釣りでは、竿を出さずに1日中男鹿の海を眺めていた彼。

経験した人でなければ分からない、津波の本当の恐ろしさ、悲惨さ。

あれから半年。

現実から逃げずに、嫌でも現実を直視しなければいけない日々が続いた事でしょう。

そんな男が、再び海を楽しみながら勝ち取った栄冠。

つくづく思う。

釣りをやっていて、本当に良かった。

P9250591.JPG

浅野さん、おめでとう。

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コメント

投稿 : 若旦那|2011-09-26

いや~ 浅野くんが優勝したって聞いた時は鳥肌が立ちましたよ!
未だに辛い現実に直視しながら日々を過ごしている彼が勝ち取った栄冠。

もう・・・・・泣けてきますわいww

でも、来週全国大会ってのも凄いっすな(笑)
マジで「どうしよう・・・」ですね^^;

きしさんは・・・・だったけど、グレの部でブイブイ言わせてください!

投稿 : きし|2011-09-27

>若

ほんとね。未だに嬉しいですわい(^^)

帰ってからもいきなり激務だそうです。
鉄人ですね、彼は。

グレは頑張りますよぉ~って、はやくあなたも磯へ行きなさい(笑)

投稿 : 魚心|2011-09-29

先日はお世話様でした。

帰ってきてからの仕事・・・ドMです。

ある意味・・・ダイエットです(火暴)

そんな中・・・針の名前はちゃんと覚えましたψ(*`▽´)ψ

日曜日から行ってきます(。・ω・。)ゞ

少しでも、多くの御土産話が出来るように頑張ります。

投稿 : きし|2011-09-29

>魚心さん

金曜日から磯場も含めて睡眠4時間?(^^;

ほんと毎日お疲れちゃんです。

針の名前、夢にも出そうですね(笑)

向こうでも、結果を気にせずに楽しんできてくだされ。

各レジェンドとの対決話、楽しみにしております(^^)


大会落ち着いたら、またゆっくり遊びましょう。

お気をつけて。

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きし

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幼き頃の投げ釣りに始まり、途中空白期間を経て20代後半から本格的に海釣りを再開する。
黒鯛、メジナ、真鯛を求めて通年海へ通う。年間釣行日数60日

ホームグラウンド
男鹿半島加茂沖磯(フカセ)
船川港(紀州釣り)

・紀州釣りクラブFreedom East所属
・マルキューフィールドテスター
・東レフィールドスタッフ

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