2011
03/07

春よ来い

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ようやく春めいてきた３月のとある土曜日。

気持ち的にもようやく余裕が生まれ、三男君と公園へ遊びに行く。

春を待ち侘びた子供達の賑やかな声を想像していたのだが・・・誰も居ない。

最近の子供達は、大人と一緒で冬が嫌いなのだろうか。

空を見上げると、ひっきりなしに渡り鳥の大群が北へ北へと飛んでいく。

「パパ！すごいカァカァ！たくさん！！」

三男君は、全ての鳥がカラスなのである。
それを追いかけるように、一歩一歩、誰も居ない公園を踏みしめながら歩く。

歩く・・・歩く。あ、こけた。

大丈夫かいな・・・

この笑顔に随分と助けられたもんだ。

この２ヵ月半。
「疲れたなぁ」と、口にする暇も無く黙々と過ごした。

１月上旬に女房が入院。
炊事洗濯だったら間違いなく全国レベルの自分であるが、さすがに２ヶ月半は辛かった。
まして、仕事がら年度末であるからなお更である。

イクメン？
そんな軽々しい言葉で言わんでくれ！って感じである。

でも、こんな時にだけ見えてくる物も多々あった。
それは悲しい事のほうが多いけどね。
ま、いいや・・・終った事だ。

今回のＭＶＰは間違いなく俺だ。
いや、誰かと競った訳じゃないし、勝った訳でもないが・・・
幸せになる事で、今回の事を・・・してやりたい。

さて、いよいよ今週には生れるな。
もう耐えなくていいからね、奥方よ。

男の名前しか考えておらんのだが、広島の友から良い名前を聞いた。
皆で長い厳しい冬を乗り越え、春と共に我が家にやって来た子。
「芽春（めはる）」

・・・って、女房に教えたら

「・・・つーか、エサトリじゃん。」

おいおい、そりゃメバルだろ。

友人の大高さんに、この事を話したら

「芽春って書いて、読み方が（テリ）ってのはどう？」

・・・おいおい、秋田の磯師しか読めんだろうが。

何故か兄と友和君の爆笑顔が浮かんだ。

従来「忙しい」って言葉が嫌いというか、都合がいい便利な"逃げ"の言葉だと思っている。
「忙しくてさぁ、ごめんね」ってのが最たる言葉。
でも、今回は使ってもいいよな。

忙しくて忙しくて、昨日ようやく出来た自分の時間。
小屋で、様々な想いを浮かべながら黙々とリールに新しいラインを巻く。
放置してあった道具入れを開けると、潮の香り（少々、臭かったが）と共に、昨年の米水津が蘇る。

・・・う～ん、なんとも言えんな、こりゃ。

向こうで使ったウキをシミジミと眺め、拭いたりしていたら、昼寝から起きた三男君が窓から・・・

「パパぁ、早くフルーチェ作ってよぉ」

「あぁ、今行く」

小屋から出ると、再び空を渡り鳥の大群が飛び去って行った。

ふぅ・・・何もかもが、もうすぐだ。

なんとなく

今年も良い事あるごとし

心も開くる

早春のそら。

楽しみだなぁ・・・。