2010
05/10

~足場で過ごした日~ 秋坊連名人戦

釣行記 / comment : 9 / trackback : 0

先日行われた「秋坊連名人戦」の仕切り直しが9日に行われた。
もちろん今回も参加。
何より、あの仲間と過ごす時間というのが自分にとって何とも楽しく、とても心地良いからなのだ。

P5091520.JPG

大型連休でヘトヘトの筈なんだが、今日も満面の笑顔で海風丸を操艦する和久兄。
この方は、本当に「みんなの笑顔が自分の笑顔」って感じなんだろうな。

先日は波風が強かったため沖堤のみでの開催だったが、今日は希望の場所へ別れての競技。

P5091522.JPG

特に何処でも良かったのだが"ある場所"が空いているとの事だったので、とりあえずそこへ行くことに。

その、とある場所とは・・・噂では聞いていたのだが、近くへ行って更に驚く。

通称「鉄管」と呼ばれるこのポイントは、字の如く鉄管の上が釣り座なのだ。
鉄管の上に平足場を載せ(というか鋼材を組んで引っ掛け)ただけの場所。
遠くから見ると、さながら十字架のようである。

「うわぁ・・・おっかねぇ。こんなに小さかったんだ」

「きしさん、落ぢだら写メ撮ってがら兄さ電話してあげるがら(笑)」

「十字架の罰ゲームみたいだ(笑)」

と、散々若者達にからかわれ、バイザーの児玉君なんかには

「きしさん、鉄管は365度どごさ投げでも釣れるっす!」

「365度?360度じゃなくて?なんじゃ?その5度は」

「その5度が鉄管の素晴らしさなんです」

「・・・わけ分からん(笑)」

とにかく、ワイワイと鉄管周りで「あんだこんだ」と大はしゃぎ。
俺は本当に恐いんだけどなぁ・・・まぁ、勇気を出して上がろう!

児玉君に足場を乗せてもらい、膝をワナワナさせながら何とか鉄管へ上がった。

P5091523.JPG

・・・少々引きつり顔で、少々元気なく皆さんへ「バイバイ」

ふぅ。こりゃエライ事んなったぞ。

と言うのは、左にバッカン、右にバックを置いたらあとは動けないのだ。

P5091524.JPG

しかも、何か全体が斜めになっている気がするが・・・気のせい?それとも目眩だろうか?
そうか、目眩だ。最近疲れてるからなぁ。
(後で聞いたら本当に斜めだった・笑)

少し離れた、通称「鉄管のやぐら」には、キザクラのこまっちゃんとジュウゾウ君が居た。
先にも書いたが、睡眠釣法をやるジュウゾウ君と、あぐらかき釣法を得意とするこまっちゃんは
「これ、どごさ座る?」
「もう少し寄へれば寝れるべが?」
などと、釣りよりも他の心配をしている会話が聞こえてきた。
十字架の上で「わははは」と彼らの会話を1人で楽しみながら、おそろおそろ準備を始めた。

仕掛けはいつものチヌタックル。
アテンダー0号に、道糸1.25号、ハリス1.5号に、釣研"ピヌの詩"
「バカの1つお○え」では無いが、単純細胞な自分は、あれこれやると混乱するので最近はいつも同じ仕様なのである。

ようやく仕掛けを作り終え、早くもワナワナプルプルしている膝に気合を入れて海へ向かった。

朝方は風も無く、高くなりかけた太陽から暖かい日差しが届く・・・あぁ、気持ちいい。
が、今日は座る事もできんぞ。頑張れ俺・・・別の色んな意味で。

初めは船川向きを探る事にした。

藻が各所に点在し、潮もゆったりと流れる・・・なんか秋田の海じゃないみたい。

すぐざまボラが反応し、ウキの周りをウロウロと周回し始めた。
1尾・・・2尾・・・5尾。瞬く間にボラの群れと変わる・・・うほぉ、噂以上の数だ。
こりゃいかんぞ、ボラ大会になってしまう。

仕掛けをチョイといじり、ボラに食わせない設定に・・・おし、これでよし。

「うぉ~なんだ?(笑)」
「あれ?なんだ?横さ走るや?ボラだべ、ボラ」
「おっ!黒鯛だ!でっけぇ!」

ジュウゾウ君のタモには良型の黒鯛がおさまっていた。

やるなぁ、今日は寝てないのに(笑)さて、こっちも頑張るか。

とはいうものの、徐々に南西風が強まり始め、小心者の僕にとっては、更におっかねぇ状況に。

・・・何だか胃が痛くなってきたが。
う~む、胃薬持って来れば良かったな。

風と共に潮も変わり、船川港向きは釣りにならなくなった。
潮の方向と風を考えると、陸向きがベストなんだけど・・・しまったなぁ。

というのは、少しでも荷物が置けるようにと、兄が気を利かせて隣の鉄管へ足場を渡してくれたのだ。
(上記写真参照。写真の左側を釣る事になる・・・という事は・笑)

「こりゃ掛けてもタモ出せんではないか(苦笑)ま、んだども仕方ねな」

鉄管に左手をつき、陸を覗き込むような妙は格好で釣りを続ける。

そして海の状況も徐々に変わる。

本当にボラの海。ウキ周りに7~8本は居るかな?こりゃ釣るなと言う方が難しい。
ただ、ボラから離すと正体不明のエサトリ。小タナゴだと思うけど・・・。
更に仕掛けを少々イジリ、コマセのタイミングも変えてやる。
これだけボラが反応しているという事は、必ず黒鯛も反応しているはず。
そう信じ、徹底的にボラの下を狙った。

しかし、ボラが水中のラインに当たる度にウキが沈んだり浮いてきたり。
「こらこら、アワセられんではないか。何とすっかな・・・」
ハリスにG4を追加し、棚は1ヒロ弱+誘導を矢尾引き程度に詰める。
んで、少し沈めてみる事にした。

ゆっくりサスペンドしていくウキが一瞬止まり・・・再び加速・・・アワセ!!スカッ!!

"ピヌの詩"がエライ勢いで顔面目がけて飛んできた。
むぅ、あぶねぇ・・・
今のは早かったか?んでも、絶対に今のはヌ~チィ~だ。

再び加速・・・アワセ!!スカッ!!

渋いのかな?いや、単に下手なんだろうな。んでも絶対に居る。

よ~し、今度こそ。

再び加速・・・フッフッフ、黙ってよっと。

更に加速・・・まだまだ・・・勝手に持ってけばぁ?・・・ガツン!!!うぉっ!何ぃ?!やばっ!
いきなり竿をひったくられた。

「フッフッフ、予定通りだ」← 相当にビックリしたくせに。

さて、ここからが大変なのである。なにせ、この方向にタモは出せない訳であり、反対側まで魚を誘導してこなければならないのだ。
竿をあっちこっち倒し、何とか反対側まで魚の誘導に成功。
恐る恐るタモを出し、膝をプルプルさせながらネットインに成功。

「ふぅ、やったぞ。」

喜びもつかの間、次なる難題が脳裏をよぎる。

「まてよ・・・これ、どうやってスカリに入れるんだ?参った・・・どうしよう」

しばらく竿を股に挟んだ状態で考える。魚を落しちゃ洒落にならん。
「これをここに置いて、これをこうやって・・・魚をしっかり掴んで・・・・イダァァァ!!」
チヌに指を噛まれた。おぉぉ・・・あぁ痛い。

「恐るべし鉄管。みんなどうやってるんだべ。おぉぉ、痛い、血が・・・痛い」

その直後、再び同じパターンでヒット!
今度は強烈に足元へ突き刺さってくる。鉄管から身を乗り出すようにしてやり取り・・・なんかかっこ悪いぞ、俺。
1尾目とは比べ物にならないパワー。やはり浅場なのでラインの伸びが使えない分、それはもう強烈。
数十秒のやり取りの末、ようやく黒鯛が水面に「ガボッ」と顔を出した。
「おぉぉ、こりゃ何か大きいような気がするけど・・・」
しかし、正直言って喜んでいるような余裕なし。これからこのでっけぇ魚を反対まで持って行き、さらにスカリに入れねばならんのだ。

それはもう「はぁはぁ」言いながら何とか魚を誘導し、またもやプルプルワナワナさせながら、本当にやっとの思いでスカリに入れた。
手は血だらけのヌルヌル。はぁ・・・疲れた。

流石に反対側で釣るのが少々嫌になり、正面を探ってみるが雰囲気なし。
「やっぱり裏か・・・やれやれ」
再び鉄管に片手を掛けながら、かっこ悪い釣りを展開する。

でも時合いなのか相当魚が居たのか分からんけど、再びそんなに休む間もなく「ガシッ!!」

「はぁっ、はぁっ・・・おわっ!イデェェェ!!!」

今度は背ビレが突き刺さる。釣れるのは嬉しけれども、何か・・・俺ってば。

昼を過ぎると、風がさらに強まる。
でも潮が変わったため、ようやく正面を向けるようになった・・・ホッ。

やはり今日のキーポイントはボラだったようで、ボラが薄くなるにつれて反応も無くなった。
それでも終了間際に45cmのアイナメを釣った後、再びボラが反応。
同じパターンで「ガシッ!!!」これも猛烈な引き・・・だったが・・・
「パシーーーン!!!」と乾いた音と共に、道糸が高切れ。
「あぁぁ、勿体無い。んでも今日はいいか」
早めに道具を片付け、船の迎えを待つ。

「おぉぉ、きしさん元気だすか?(笑)」

「・・・胃が痛い(笑)」

「わははは」

そうして足場で過ごした長い1日が終った・・・ふぅ、痛い。

店へ戻ると検量が始まっていた。
イルカの影響などで、場所によって釣果が偏っていたが、それでも数名の方がしっかり魚を出していたのでひと安心。

特に「大会男」である"なぢぃ君"は体高のある48cmを釣り上げていた。
しかもその他に3尾も。
毎回思うのだが、この男の引きの強さといったら半端じゃない。
さすが外人。byこまっちゃん(笑)

さて、これは負けただろう・・・と思っていたら、あれ?こんなに大きかった?

P5091526.JPG

目方2.6キロ・・・52cm?!あれ??、大きいぞ(笑)

P5091532.jpg

・・・と、何だか信じられない結末に。

大なり小なり、実は大会で優勝したのはこれが初めてなんだよね。
それが「秋田坊主連合会名人戦」であった事が本当に素直に嬉しい。

なぢぃ君の車で家まで送ってもらうと、珍しく女房も「おぉぉ~し、でかした!」と大喜び。

手の治療をしてから(指折れたかと思った・笑)風呂に入り、酒盃のビールをグビグビやってから、まじまじと52cmの黒鯛を見つめる。

P5091530.JPG

「パパ?魚拓取らなくてもいいの?」

「ん?別にいいべ。またいつか釣れると思うし。それに・・・」

大会に参加してくれた素晴らしい釣り仲間が、いつまでも覚えていてくれるもんね。

P5091531.JPG

皆さん、どうもありがとう!m(_ _)m

▲

コメント

投稿 : kuma|2010-05-10

まずは大会にご参加いただき有難う御座いましたm(__)m
そして優勝おめでとう御座います!!
記録物の魚を出していただき忘れられない大会になりました!
次はトロフィー返してもらいますよ!・・・会の誰かがやってくれるはず(笑)

投稿 : きし|2010-05-11

> くまちゃん
いやいや、こちらこそありがとうございましたm(_ _)m

トロフィーは玄関に飾りましたが、今朝見たら女房に移動されてました。
(二階の片隅に・笑)

しっかし楽しい大会ですね。
今から次回が楽しみだよ(^^)

>会の誰かが・・・

君がやりなさい(笑)

投稿 : きし|2010-05-11

>若

無理といわず、上がりなさい。
足場おだいると思うけど(笑)

でも本当に勉強になるっすね。
鵜ノ崎とか中提周りは。

明日は頑張ってけれっす。
こちらはやはり・・・(^^;

投稿 : なか|2010-05-11

おはようございます。チャンピオン・タイトルホルダー。
何気にトロフィーの短冊に名前が見える様に息子に持たせているなんざ、並みの写真屋さんではないようでプロ並みですね。でも気になるのが、海風前での記念写真。
なぜか自分の魚得なくなじぃ君の魚を見ているような気がします……。

しかし、良い春を向かえていますね。うらやましいです。
私めは、海で焼けるのではなく、息子の野球に同帯して歩いて顔が二度目の皮がはがれてきています。釣りにいけるのは、中総体後になりそうです。もう夜釣りだな~。

でも、何度でもいいます、『優勝おめでとう。よかったね。』
ごーまる越え、うらやましいで~す。

投稿 : 海風・兄|2010-05-11

あれが通称「斜め鉄管」。
心身共にかすがってる人しか乗っけません(笑)
ちなみにいつ折れるかわからんのでおいは上がったことねっす(爆)
しかしあの風でよく釣ったすね!
次は「3分の1畳鉄管」あたりで2連覇してもらいますか!(笑)
とにもかくにも初優勝おめでとさんでした!!(^^♪

投稿 : きし|2010-05-11

>なかさん

何度もありがとうござうます(笑)m(_ _)m

写真。
今回は釣りの最中に余裕が無くて全く撮れませんでした。
上がってからも、魚が意外にも大きかったのでアタフタ(^^;
ま、小心者なんですな(笑)

ちなみに、なぢい君の魚を「でっけぇ」って見てたのではなく
目線方向にもカメラがあったんですね(^^)

早く時間作れると良いですね。
中提にはまだまだしんたげ魚が居ますよ。

投稿 : きし|2010-05-11

>兄
やっぱ本当にかしがってたんだ(笑)

曲ってるオイラは、お陰さんで丁度真っ直ぐになったから釣れました。
あの場所で真っ直ぐな男は釣れないすべ?(爆)

いやぁ・・・しかしトリッキーな場所ですな。
何よりもあそこを釣り座にするって発想が凄いっす。

またつでってけれっす(^^)
三畳?
いやいや、斜めで結構です(笑)

いつも本当にありがとうございますm(_ _)m
感謝☆

投稿 : こまっちゃん|2010-05-14

遅くなりましたが優勝おめでとうございます!!
我が家からトロフィーがなくなったのは寂しいですね~。 
嫁さんは喜んでますけど(笑)
次回 チャンピオンは強制参加ですので よろしくお願いします(笑)

投稿 : きし|2010-05-14

>元チャンプ(笑)

ありがとさんでしたm(_ _)m
んで、水曜日もお疲れ様でした。

恐るべし秋坊連ですなぁ(^^)

もちろん次回も張り切って出させてもらうよ。
女房がトロフィーの置き場に困っているみたいなんで(笑)

メグ君の祝勝会やらんとね(^^)

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きし

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幼き頃の投げ釣りに始まり、途中空白期間を経て20代後半から本格的に海釣りを再開する。
黒鯛、メジナ、真鯛を求めて通年海へ通う。年間釣行日数60日

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船川港(紀州釣り)

・紀州釣りクラブFreedom East所属
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