2010
04/06

今年も「夢」が始まった

釣行記 / comment : 10 / trackback : 0

4月最初の週末。

今年は夏から秋にかけて色々と忙しくなりそうなので、早めに山へ入り、今年の冬に備えて薪を下ろして来た。

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これで我が家の一冬分。専門用語で言えば「五罐(ごかま)」
毎日家に人が居る家庭では、1ヶ月で約1罐弱使う事になる。
値段は様々だけど、3尺の状態での相場は1罐が1万5千円程度。
切って割った状態で自宅まで届けてもらうとなると、これが3万円~4万円に跳ね上がる。
となると、灯油より高上がり。我が家の家計では厳しい。

P4041483.JPG

だから、こうしてお父さんは「ランボー(又は田中邦衛)」と化して頑張るのだが、それはお金だけでは無いことに最近気が付いている。

サッカー部を辞めた息子達も山へ連れて来る。
もちろん、山には沢もあり崖もあり、少なからず危険な場所も存在する。
彼らはそこで「探検」と称して朝から何処かへ消えていく。
腹が減ると何処からともなく戻ってきて、汚い手でオニギリを食いつくし、また何処かへワイワイと消えていく。

最近あちこちに「テーマパーク」なるものが建設れている。
そこには枯れない森、氾濫しない川があり、その川には"生きていない、死なない魚"が悠々と泳ぐ。
そこで家族は煙の出ないバーベキューを楽しみ、作られたともいえるアウトドアを楽しむ。

確かに安全であり清潔であり、子供達もそこそこ楽しいだろう。
しかし・・・だ。
それが「夢の世界」であるならば、そこから何を学ぶのか。

・・・おっといかん。釣りブログだった。
これを書くと最近止まらん。よっぽど何かに対して不満が溜まっているのかな(苦笑)

「おぉぉ~い、帰るぞぉ!!」

泥だらけになった子供達を、これまた泥だらけのサファリに乗せ、家路に着く。
5分も経たないうちに寝てしまう子供達。
やれやれ、今晩も洗濯が大変だ。

家へ帰り、風呂に入りながら子供達の「探検話」を「そうかそうか、そりゃ大変だったな」と聞く。
八時前には消灯してしまう我が家だった。

さて、明日は釣りだ。
前回からそのまま放置していた道具を車へ再び詰め込み、僕も眠かったので点検せずに眠りについた。

朝の5時。釣り東北社のヤス君が家に迎えに来た。
そう、今日は釣りは釣りなんだけど、取材釣行なのだ。
前にも書いたけど、彼とは本当に波長が合うから楽しい事は楽しいんだけどね。
でも、紀州釣りならともかく「僕なんかでいいのかなぁ・・・」ってのが正直なところである。
しかもテーマが「早春の黒鯛を釣る」
ホッケすら釣れない今年の海で、僕には少々というか、かなり重い任務だったのは間違いない。

「まだ4月5日だし、普通に考えても厳しいですよね。ま、釣れたらラッキーって程度で大丈夫っすから♪」
というヤス君の目には「釣ってけれ!」って書いてあるし・・・参ったな(笑)

朝からスキ屋で牛丼を食べ、腹ごしらえをしてからゆっくり北上。
戸賀まで見に行ったが、「水温はともかく、せめて川水が入ってませんように」
という淡い期待も砕かれ(全体的に水色悪し)結局、我がホームグラウンドの加茂へ向かった。

「ぬぅっ」と、ヒロ兄が現れ
「おぅ、なんだ?今日もホッケの取材だが?釣れねど(笑)」
「いや・・・いちおう黒鯛なんですが」
「ほぉ・・・(ニヤニヤしながら)まんず頑張れ(笑)」

当然なんだろうけど、ヒロ兄の眼には「まだ無理だって」って書いてある。
それでも釣れ始めが早いとされる「ババのハナレ」へ行く事にしてもらった。

そそくさと準備を始め・・・あれ?あれれれ?・・・しまった!

「ヒロさん・・・ブーツ忘れだ」

「何やってんなや。俺の貸すがらはげ(笑)」

やれやれ。取材で道具を忘れるとは何とも情けなや。そんなん俺くらいだろう。
普通はタックルの点検から、全て万全でベストの状態で望まないと失礼ってもんだ。

巨大なシマノのブーツを履き「ヒロさん、足でっけぇ・・・ガボガボガボ」
音を立てて船へ乗り込む・・・あぁ、風の臭いが春だ。

ババのハナレ到着。
「あんべわりばあどでむがえにいぐ」
いつものセリフを残して大竹丸が飛ぶように去って行った。

いつもの早春であれば、30分は釣りをしないで春を体全体で満喫するのだが、今日はそうも言ってられない。
「バシャバシャ」とフラッシュを受けながら準備に取り掛かり、釣りを始めた。

予想通りというか、海は上潮だけが滑るように早い、正に早春の海。
朝は南西風も強かったため、川水と風が逆になる完全な二枚潮で、手も足も出ず。
10時を過ぎると状況は更に悪化し、上潮は相当なスピードで沖へ、底潮は当たってくるという、最悪のパターンへ。

仕掛けもあれこれ変えたが、自然に立ち向かうにも限度がある。全く太刀打ちできん。

恐らく船を走らせた段階で悪状況を予想していただろうヒロ兄が、早々と迎えに来てくれた。
一言「しゅんで川水だ。無理だべ(笑)」
「はい、その通りです(笑)」

それでも竿を出せば、可能性がゼロって訳ではない。近いとは思うけど・・・

半分被るのを覚悟で、大好きな「べったら」へ上げてもらう事にした。
「もしかせば釣れるかもしれね。厳しいけどな(笑)波上がったら電話よごへ」

仕切りなおしの第2ラウンド開始。

P4051484.JPG

しかし、ここでも水色、川流れの激流は改善されず、得意の北向きは強烈なアテ潮で釣り不能。
1時間ほど経ってから北向きは諦め、まだ向かい風の南を向くことにした。

P4051488.JPG

しかし延々と付け餌は残り、腹を空かせたカモメの集団が増えるばかり。

少しでも海から情報があれば・・・

12時を過ぎた。流石に少し焦り始める。というか「ヤスちゃんごめん。こりゃ駄目だ」という気持ちの方が大きかったけどね。

でも、本日初めての明確な情報が海から帰ってきた。
釣れるとすればこのタイミングしかないだろう。

ここで詳しくは書かないけど、あれこれ仕掛けをいじり・・・ジワッとサスペンドしたウキが、視認ギリギリの位置で止まった。

「まだ・・・まだまだ・・・まだ」

「クゥッ」とかすかに穂先へ反応・・・アワセ!

乗った!・・・けど、こりゃ違うなぁ。

魚は首を振るでもなく方向を僕の方へ変え、簡単に足元へ滑り込む。

「ヤスちゃん、ホッケだぁ・・・あれ?うぉっ!!」
足元で猛烈に突っ込み始めた。
「あわわわ、くっ、黒鯛だ。これでばらしちゃシャレにならん!」


・・・と、詳しくは、今月25日発売の「釣り東北5月号」を是非どうぞ。


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P4051485.JPG

ふぅ・・・しったげ疲いた。
肩から「モワッ」って感じに疲れが抜け落ちた。

午後からは天候も穏やかになり「もう1尾」って雰囲気もあったのだが、集中力的に限界だった。
2人でノンビリと雑談を楽しみながら・・・納竿。

「いがったねがぁ、わははは」喜んでくれるヒロ兄。
いやいや、ほんとうにいがった。巨大ブーツのおかげかな(笑)

まだ少し早いけど、愛しのホームグラウンドで早春を満喫できた1日だった。

さて、今年はどんなドラマが待っているかな。
楽しみだなぁ。


・・・夢は人に造ってもらうのではなく、自分が造るものである。

▲

コメント

投稿 : チヌ和|2010-04-06

お疲れ様でしたm(__)m
正直絶対!釣れないと思ってました(笑)
帰って来た時…『ダメだったすべぇ』といったら…釣れたっすと(冗談)と思ってたら、ビックサイズ(^_^;)
参りました。
やす何て本当にダメだすべ…本当に釣れなくて成功な今回のテーマ!あえて言えませんが(笑)
ある意味簡単に釣れて失敗?な取材なたね(爆)
テーマ変えないと(笑)
しかし…突いてるすなぁ?それは夜か(笑)
憑いてますなぁ…後ろに…ピヌの霊が(爆)

でもよく釣りました!!
岸君に…星…3つ!!(笑)

投稿 : なか|2010-04-06

いがったすな~、良い春きたすな~。

去年も春を感じることなく一気に明けない梅雨を迎え。
一度っきりの加茂磯に立って久しぶりの足の裏に会い。
後それっきりとなってしまいました。その後竿に感じた魚君は、ハタハタでした。

今年は、団子のころには息子は野球を終えているはずなんで、受験までの間少しでいいから一緒に遊ぼうね。一人遊びは寂しいから…。

でも、一中夜釣りをしてみたいけど無理かしら?

投稿 : mura|2010-04-06

ごぶさたしています。

良い教育されていますね。
男の子だし、自然に触れて(探検?)
子供にとってすごい良いことだと思います。
私も昔はそこらへんにある廃材で基地を作って
遊びました。(笑)

・・で、すでに今春1号を釣り上げられたのですね!
水温の冷たいこの時期に・・しかも川水もすごかったようですし。
ぜひその技を盗ませてください。

投稿 : きし|2010-04-06

>チヌ和どん

今年も突いてるし、憑いてるみたいだ(爆)

んでも、本当に良く釣れた。
自分で言うのもなんなのですが(笑)

決して、かっこ良いスマートな釣りじゃないですが
一緒に釣りした時の色んな経験が生きましたね。
釣った後、色んな事が頭をよぎりましたワイ。

という事で、今シーズンもよろしくっす(^^)
まだまだ何かを隠してらすべ(爆)

投稿 : きし|2010-04-06

>なかさん

今年こそは一緒に遊べそうですか。いがったっす(^^)

んだども、一中夜釣りは厳しいっすなぁ。
なにせ毎日9時に寝る癖が付いてるもんで(笑)

短時間でも良いので、僕が海に行ってる時に連絡くださいね。
もう少しの辛抱。
頑張って下さいませm(_ _)m

投稿 : きし|2010-04-06

>muraさん

おぉぉっ、ご無沙汰していますm(_ _)m
元気だったすか?

良い教育なのかどうか、自信はありませんし、テーマパークが悪いとも言いませんが・・・
まぁ、こうして釣り仲間を眺めてみると
本当に昔はヤンチャな奴(しかも強烈に・笑)ばかりなんですね。
でも、本当に礼儀正しく素晴らしい若者ばかりで、我社に欲しいような人材ばかり。
計算され尽くした環境の中で・・・いや、また長くなるから辞めよう(苦笑)

んで、技なんてとんでもない。
muraさんも、僕にとってはある意味師匠ですからね(^^)
機会が合えば、まだいぐっすべ。
よろしくお願いしますm(_ _)m

投稿 : mazu|2010-04-07

お久しぶりです。元気でしたか??更新が、しばらくなかったので実は少し心配してました。
取材のプレッシャーに負けない釣果は流石ですね!
それにしても良いクロダイですね!!釣り東北の発売も楽しみにしてます。フカセシーズンまもなく到来!!今年も遊んでください(笑)

投稿 : きし|2010-04-08

>mazu君

お久しぶり(^^)

あんまり元気でねがったども、何とか元気。
今年は腰痛が最悪でね。
座りながらの釣りが多くなると大もうけど、また遊ぼうな。

mazu君こそ、早春早々にサクラバンバンで調子良さそうだねが(^^)
今度食わせてけれ(笑)

そのうち連絡するね。嫁さんとは上手く行ってるかい?(笑)

今年も宜しくですm(_ _)m

投稿 : きし|2010-04-12

>兄

いや、昨日の「勝利のパァー」の方が個人的には嬉しかったです(笑)
でも実は初めてなんですね、ジャンケンで勝ったの(^^)

これで今年の”運”は終了。

後はノンビリ行ぐっす。

ご多忙の連休前、都合が合えば遊びに行きてすな(^^)

投稿 : XbrYQlgF|2011-05-18

euYoTXj

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きし

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幼き頃の投げ釣りに始まり、途中空白期間を経て20代後半から本格的に海釣りを再開する。
黒鯛、メジナ、真鯛を求めて通年海へ通う。年間釣行日数60日

ホームグラウンド
男鹿半島加茂沖磯(フカセ)
船川港(紀州釣り)

・紀州釣りクラブFreedom East所属
・マルキューフィールドテスター
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