2009
05/28

悩める季節 〜大雅杯〜

釣行記 / comment : 24 / trackback : 0

今年も大雅杯の開催季節がやって来た。
試行錯誤しながら始めた同大会もこれで４回目となる。
記念すべき「全員ボース」の第１回リハーサル大会は9人だったかな？
初対面の方々も多く、まだまだ遠慮がちに釣っていたような気がする。
何だか海で頻繁に会っているから遠い昔のような気もするなぁ。

レベルアップだけが海の楽しみ方じゃないけど、目標や目的意識を持つ事によって楽しみ方の幅が広がるのは事実。
でも、いつも１人の釣行では、なかなか自分って見えないし「今日はこれで正解なのか？」
なんて悩む事も多い。特にメジナの場合は大いにそれが当てはまる。
やはりメジナ釣りが上手な方は、レベルに対比するかのように引き出しも多い。
僕も随分と勉強させてもらった。ずっと１人だったら未だに釣れていないだろう。

という事で、それだけが目的では無いけれども、今回は何名かの名手の方々へ声を掛けた。
幸いにも海風のお客さんには気さくで愉快で楽しい名手が多数存在する。
んで、今回は皆さんご存知の鎌田誠さんが参加してくれた。
皆の愉快な兄貴分でもあり、また意外と知られていない事だけど、イタズラ大好きの楽しい方なのである。

また、若旦那繫がりからは、地磯のスペシャリストである菅原さんも参加。
ホームページをいつも見させて貰っているけど、この方も本当に良く釣る礼儀正しい好青年だ。

という事で、珍しく？（笑）友ちゃんが早朝に開けてくれた店へ、総勢14名が集った。

「黒鯛、真鯛の１番デカイのを釣った人が勝ち」
という単純明快なルールを説明し、磯割りを発表した後・・・ワイワイドヤドヤと加茂漁港へ向かう。

大真鯛シーズン到来との事で思ったより車は多かったが、漁港近辺の磯は比較的空いているみたい。
大竹丸のヒロ兄ィと金竜丸のマコ船長さんへ挨拶を済ませ、船はゆっくりと漁港を出た。
先週の放置プレイ状況から判断し、漁港から１番近い島「上黒島」へ渡った。
南で小アジが出てきたって事と、過去の実績と勘からの判断なんだけど・・・外したらすまぬ、佐藤君よ。

あ、そうそう。僕と本日一緒に玉砕してくれるお相手は、上州屋外旭川店長の佐藤君である。

店でご存知の方も多いと思うが、これまた気さくで話しやすい好青年。
今までそんなに長く話した事はなかったが、笑い話も交えた会話で盛り上がりながら準備を始めた。
彼はもともと鶴岡の出身。僕は個人的にも以前から酒田や鶴岡の人の雰囲気が大好きなのである。

さて、海。

あまり色的に宜しくないが・・・あれ？

際から伸びる根の先へコマセを数杯入れると、3ヒロ程度の棚で薄っすらと何か見えた気が。
たぶんメジナだ。
「ジワッ」と脳みそへ、アドレナリンが分泌される。あぁ、これだけで気持ちいい・・・。
０ウキで棚を２ヒロ取り、ハリス中央チョイ下へＧ5を打つ。
ゆ〜っくりコマセが沈んで行き・・・マナコを大きく見開いて付けエサをジッと見つめる。
「もう見えないかな・・・」と思われた3ヒロ付近で「スッ」と付けエサが消える。

おぉぉ、これこれ。この久しぶりの引き味。

25?程度だけど、シーズン最初の１尾目は何ともいえない気分になる。

しめしめ、これはひょっとして大当たりか？フッフッフ。。。
トーナメントバッカンへ海水を満タンに入れ、数釣り体制を整える。

が・・・取らぬ狸の皮算用とはこの事。

その後は３ヒロ〜４ヒロまで落とすも反応はなく、もちろん浮く事もなく。
でも際で何やら魚らしき陰が１尾見えたので落としてやると・・・ゴツン！！
何か妙に引きだけは元気な魚だけど・・・グレとは違うかな。
これは31?の黒鯛だった。

さて、これは単に鯛が入ってメジナの反応が途絶えたのか・・・それとも既に先週の再現なのか。

でもこんな時は釣友が側にいると答えが直ぐに返ってくる。
「きしさん、何か黒鯛居るっぽいですね」
「お？まじっすか？」
彼の釣りは遠矢名人のスタイルである。
この釣法を生で見る機会は初めてなので、ちょっと手を休めて眺める事にした。
きっちり底を取って周辺の起伏を確認し、反応が出る層まで少しずつ棚を上げていく。
仕掛けも重めでコマセも重め。
近年のフカセでは「軽い仕掛け」が主流になりつつあるけど、こと黒鯛に関しては遠矢流が理にかなっていると思う。
僕も黒鯛釣りでは「仕掛けの重さによる違和感」うんぬんより「安定したエサ」をイメージしているからね。

立ち浮きは使った事がなかったので「どの辺まで入ったらあわせるの？」「へぇ〜」とか聞いていたら・・・
「お・・・これは来た！」
ビュッ！！とアワセが入り、ロッドが綺麗に弧を描く。

「おぉぉ、やるなぁ。お見事！」
40ｃｍを少し切ったサイズだけど、腹パンの綺麗な固体だった。

「う〜ん、やっぱ鯛が入ったのかな。どれどれ・・・」
と仕掛けを少し重めに交換し、ちょっと深い棚を探ってみると「スパーーン！」とウキが入りチャリコが釣れた。
「よ〜し、チャリコでも何でも今日は魚を沢山釣るぞ！」

・・・１時間経過。

・・・２時間経過。あれ？

・・・３時間経過。またか。ガクッ・・・。

「佐藤君、何か釣れる？」
「いえ、１時間以上エサ残りっぱなしです（笑）」

２人とも投げた仕掛けが微動だにせず同じ場所。完全な潮止り。
う〜ん・・・マンダム。

朝方は少し雲があったものの、日が高くなるに釣れて快晴に。
気温もグングンあがりレインを脱いだ。

風も無くシーンと静まり返る海。
遠くに見える長岩の方から「ビュオッ！！！」「ビュオッ！！！」
と何度も強烈なアワセ音が静寂を破る・・・トラちゃんだな。相変わらず強烈だ（笑）

アチコチから電話で各島の情報が入って来たけど、どこも似たような状況だった。

11時過ぎだったか。
状況が好転しないので、ゆっくり佐藤君と並んでパンを食いながらコマセを入れていた。
「今時期はね、あの辺で25〜30のメジナが出て来るんだよな」
「へぇ〜僕も鮎釣り無かったらやりたいんですけどね。あ？今何か出てきませんでしたか？」
「お！メジナだ！」

慌てて仕掛けを交換し、再び釣りを開始したものの、今度は全く浮いてこない。
「むぅ・・・何なんだべ」
と手を休めたり、重い仕掛けで沖を狙ったりすると、突然また湧いてくる。
まるでこっちの行動を把握しているかのようだ。
相変わらずイヤミで不思議な魚だ。

もういいや、今日はこのままグレが浮いた時用の仕掛けで行こう。
思うに、どうも今日はコマセを入れ過ぎると棚が下るみたい。
外敵や他のエサトリも少なく、危険を冒してまで浮かなくても底で捕食出来るからなのだろうか。
ま、推測だけどね。

３投に一杯位のペースでコマセを入れながら何も釣れない釣りを続け、12時を過ぎた頃だったか。
ようやく尺クラスのメジナが数尾、視認出来る棚まで浮いて来た。
でも「湧いてきた」ではなくて「浮いて来た」のである。

微妙な云い回しの違いだけど、要は上下運動で捕食するのか、単に捕食の棚が浅くなったかの違い。
僅かな違いだけど、これが難しいのだ。

ヒロ兄ィが見に来て
「なんとだ？メジナ見えるが？？」
「見えるけど、横泳ぎ（笑）」
「あははは。見えても食わなぇメジナだな（笑）まんずがんばれぇ」

さすが彼は釣りも上手なだけあって分かっている。
去年から何度も遭遇しているが、横泳ぎしているメジナは本当になかなか食わない。
ま、それでも食わせるどって悩むのが楽しいんだけどね。

コマセは細かく砕いたオキアミをメインにして少量だけ入れ、ハリスもどんどん落として針も寒グレの３号まで落として・・・
完璧にコマセと同調して付け餌が沈んでいく・・・
「おし、食え！食え！！」
何粒のもオキアミにグレが群がり、そしてオキアミが見えなくなる。
で、最後に一粒だけ残っているのがオイラの付けエサ。これが幾度も繰り返される。
「あぁ、たまらん。しんたげムカツク（笑）」
重い仕掛けも試したけど、やはり食わん。そして悪い事にボラが集り始めた。早く釣らねばまた消える。

え〜っと、あとやっていない事はあれか。

ホッケ釣りなんかで食い渋ったときに使う手なんだけど
ハリス中央に３Ｂを打ち（針まで1ヒロ強）文では上手く説明できないけど、一気に棚まで落とした仕掛けをＬ字になるように竿で操作する。
んで、「ヒロヒロォ〜」って感じに竿を横や手前に動かし、グレの側までゆっくりエサを持っていくのだ。
要は魚に合わせて貰うのではなくて、魚に合わせるとでもいうのかな。
見た目はあまりかっこ良くない釣り方である（笑）子供の時にやったような釣り方だけどね。
でもこれがはまった。
「ヒロヒロヒロォ〜ほら、食え！！」
「フッ」とエサが消え、魚が反転したと同時にアワセ！！
「お〜し！やった！」
今度は朝より一回り大きいぞ。27?くらいかな。
何処からともなくボラが増え始めて棚が少し下ったけど、何とか同じ手法で更に1尾追加。

が・・・遂にやってしまった。巨大ボラ・・・食うなっちゅうのに。。。

「佐藤君、わりぃ。タモさ入れでけれ」
「あぁ、いっすよ」
佐藤君の高価そうな新しいタモへ65?もあろう巨大なボラがベロリと滑り込んだ。すまぬ。

ボラが暴れたせいもあるかも知れんが、その後は３時半まで1度もオキアミを取られる事が無かった。
他の磯も午後は同じ様な状況で、放置状態・・・放置が好きな人は楽しかったらしいが（笑）

水温的には丁度良いし、そんなに色も極端に悪すぎるって訳でもない。
ちなみに当日の潮はこんな感じ。

これを見る限り「朝だけ釣れた」ってのも納得いくけど・・・それだけじゃないだろうな。
不思議なもんだ。

さて、店へ戻ろうか。

友ちゃんを乗せて店へ戻り、表彰式と閉会式も笑いのうちに終った。

特に・・・ヤス君。なかなか笑いも取れたぜ！ありがとう（笑）
次回も色々と考えような。

司会進行をやってたため、写真は撮ってません。
順位、表彰式の模様は「大雅ブログ」でどうぞ。

しかし皆さんの腕もそうだけど、大会自体もどんどん盛り上がっていってるね。
嬉しい限り。

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兄。いつも賞品、準備等で本当にご難儀かけます。
誠さん。僕は「ウキ2個下さい」って規模でお願いしたのだけど、あんなにたくさん頂いて大感謝です。
Tomiさん。ティッシュ・・・別の意味でしんたげナイスでした（笑）ありがとうございます。

って事で、次回はグレ１本で開催します。
6月末か7月上旬・・・サバが釣れる前に（笑）

皆さん、ご参加＆ご協力ありがとうございましたm(_ _)m