2008
11/04

晩秋の大荒れ

釣行記 / comment : 14 / trackback : 0

この二週間、毎日のように晩秋の嵐が吹き荒れている。
にしてもまだそんなに寒い訳ではなく「冬の顔」をしているのは海の表面だけ。
今年も初雪は遅れそうな気がするが・・・去年みたいに雪が降らなきゃいいなぁ。

家庭の行事、仕事と少し忙しくなりそうな連休だったが、合間をみて海へ向かった。
天気図とは裏腹にまだまだ海は大荒れ。
最近は低気圧が過ぎ去っても、次から次へと日本海へ入って来る為、なかなか海が落ち着かない。
今日も「落ち初め」って感じの海だけど、また次の低気圧が待ち構えているためおそらく明日までは持たない。
ま、そんな事いって待っていても、釣りに行けなくなるだけだからね。
焦ってはいないが、2008年もあと残り少ない。

まだまだ高い北からの大ウネリを避けて、湾奥の磯へ入った。
荒れ時には沖からのウネリで仕掛けも押し込まれる事が多いが、底潮がきっちり沖や溝沿いへ効いていれば真鯛はもちろん、良型メジナなんかも期待できる場所である。

PA300652.JPG


・・・が、今日は違った。

上から下までが完全な「あて潮」らしく、際には大量のアジが居座っていた。
こんなにサラシがキツイにも関わらず、白くなった表層を縦横無人にアジが駆け回る。
ん?あれ?!・・・そしてその中に混ざって、今日も愛しのサバ君が混じる。しかもデカイ。
思えば7月から、かれこれ4ヶ月。こんなに長い付き合いになるとはなぁ。
・・・早くも来年が心配だ。

今日はさすがにこの方も苦戦。

PA300648.JPG


僕より遥かに大量のアジを相手にしており、彼のコマセが多少なりとも僕のポイントをアジからブロックしてくれる。
「こっつぁ寄ごさねでけれすなぁ(笑)」

「おう、まがへどげ(笑)」

どんな時も頼りになる男である。

日が傾き・・・海が銀色に変わり始める。
さて、今日はメジナも真鯛も無理だな・・・。

仕掛けを黒鯛狙いに変更。
5Bウキに、×1.3倍負荷のガン玉を段打ちし、張りながら際から差し込むように沈めて探る。
アジに邪魔されず上手く仕掛けが通ればベラ。
これで大体の棚は掴んだけど・・・果たして今日は居るかな・・・

見えなくなった浮きをゆっくり引き戻すと・・・ガツッ!!
ようやく、本日始めて竿が絞り込まれた。
といっても35cmも無いサイズだけどね。ま、いいや。本命は本命。
そんなサイズを2尾釣ったところで残り1時間。

PA300645.JPG


ふっふっふ・・・今日は勝ったな。
と、余裕をこいて写真撮ったり片付けを始めてたりすると・・・

「あれ?何かやり取りしてる?」

PA300642.JPG


「はっはっは。チヌだ〜す(笑)」

その後連発。
やはり今日も負けた(笑)

ポイント的には僕の方より難しく、沖に溝があって手前は駆け上がりのガラガラ。
へたすりゃ毎回根掛かりの釣り座である。

「あ、そうか。ひょっとしてあの時と同じか」
釣り方を眺めていると、今年の4月に水島でやられた時と同じ様な釣り方だった。
う〜む・・・そう考えると、こっちももう少し攻め手があったな。
相変わらず進歩せん男だ・・・。

・・・・・・・・・

2日目。少々早めに起きて海風へ向かった。
今日は“ある男”と待ち合わせをしている。

話は変わるけど、意外と言うのか、海風の若手には元サッカー部が多い。しかも皆さん上手で輝かしい戦歴を持った人も居る。
今日会う男もそんな中の1人で、聞けば僕が若い頃に市内リーグで連敗した相手チームの中心選手だったらしい。
確かに“ここぞ”という時に勝負強いチームだったと記憶している。
んで、やはり釣りでも“ここぞ!”と高額賞品などがかかった時に、抜群の勝負強さを発揮する。
前置きが長くなったけど、今日の同行者は「2008年 海風金杯」の優勝者、Dボーイ君である。

知り合ってまだ1年チョイだけど、やはりそこは同じ海に通う仲間。
車中でも気兼ねなく会話が弾む。そして、言うまでもないが、やはり海風の若手は礼儀がしっかりしている。
彼女からの電話にも、優しく甘いダンディー声で対応・・・うんうん、感心感心(笑)

楽しい会話とは裏腹に、門前を通過した頃から巨大なサファリが暴風で揺れ始める。
入道埼の風速計を確認すると、南西の風16m。
そんなんでも男鹿磯には竿だし可能の場所が多々あるから心配はないのだけど、この風がいつ変わるかがポイントとなる。
僕はまだまだであるが、地元の地磯ベテラン連中はその辺の判断が抜群に上手い。そんな判断も実力のうち。だからどんなに海が荒れた大会でも、地元勢は必ず釣果を叩き出す。
実は、これに関しては少し自分的にも今後の目標としている。
いつも楽に楽な場所ではなく「こんな海で釣るの?」という状況で、もう一歩幅を広げたい。
もちろんMだけど、それだけではないのだ。

今日は早い時間帯に風が変わると判断し、孔雀へ降りることにした。
ここは5年?いや、それ以上かな・・・確か、楽だろうが厳しかろうが、全く釣れなかった頃の事だろう。
とにかく久しぶりの崖降り。ちょっと楽しみ。

「そんたにきづくねっすよ。多分、20分も掛からねで着ぐすから」
と軽快に下って行ったD君だったが、足場の悪い斜面で滑って防寒着を切らしていた(笑)
「おぉ、おっかねぇ(笑)」

焦らずにゆっくり降りたが、流石に5年以上の歳月はすっかり体を変えていたようだ。
到着する頃には膝の笑いが止まらず、呼吸もいつまで立っても落ち着かない。
はぁ・・・早くも帰りが嫌だ。ヒロ兄ぃ迎えに来てくれんかな(笑)
といっても海はこの状況。出れる訳がない。

PB020658.JPG


まだ南西の暴風であるが、これが西に変わることを想像しただけで、かなりダイナミック!
既に到着していたベテランの二方へ挨拶を済まし、僕らはまだ向かい風になる南を向く事にした。

PB020661.JPG

しか〜し・・・海の中は前回同様。
今日も上から下まで潮が入ってきており、一投目から大量のアジが目視できるだけ沸く。
北向きはそうでもないらしいんだけど・・・。
こういった“荒れたワンド”で潮が入っていても悪くは無いんだけど、これだけエサトリが幅を利かせてるって事は、大きい魚が入ってないって事。
こりゃ今日も厳しいなぁ・・・。
ま、こんな地磯の釣りは釣果だけではないか。

D君と昔話などでワイワイやっていると、あれ?

PB020665.JPG

30cm弱の黒鯛を突然釣った。彼曰く、このサイズのチヌは「ピヌ」と言うらしい。

「さすがピヌ師(笑)」

そして、またアジと戯れて・・・一時間後。
何かが爆発したように風が変わる。

PB020672.JPG


あの大きな小阿治が水没。始めて見た。

ワンドの中も洗濯機状態・・・。

PB020674.JPG


そんなんでもアジは元気で、大サラシの真っ白な中を元気に泳ぎまわる。
陸にビチビチと打ち上げられても意に介さず。ある意味凄い・・・バカな魚(笑)

先週の同所は殆どエサトリは気にならなかったそうだ。
なのに今日はこの有様。しかもサバまで居る(笑)
なんか自分にエサトリが引き付ける何かあるのか・・・って、真面目に思っちゃうぞ。
同行者が減りそうだ・・・。

そんな「こりゃ無理」って感じの状況だったが、昼過ぎに二人一緒にエサが残った。
「あら?もしかして?」
そして今までと違うタイミングで、ウキがゆっくり入る・・・アワセ!!

PB020670.JPG

はぁ・・・良かった。

同じ時に、D君もしっかりピヌを釣り上げる。
やっぱ上手だよな。感心感心・・・さすがピヌ師(笑)

でも、釣れた個体の色が示すように、居ただけの魚を釣っただけの事。
何かのタイミングで一瞬スイッチが入っただけだったのだろう。
5分もしないうちに、また元通りのアジの海へ。

意を決して、釣り座を北向きへ移動したが、大自然の偉大さを味わって・・・元へ戻る。
やはり人間なんてちっぽけなもんだ・・・あぁ、冷たいというか、恐かった(笑)
頭からガッパリ。

3時に竿をたたむ。
帰りは二人で何度も足を止め、その都度海を振り返りながら釣りの話し。
「あの辺の釣り座って・・・」
「あそこはやっぱり船着きだすべ。あそこからこう潮が・・こう、上って・・・・ハァ、ハァ・・・こぇぇぇ。」
会話もままならないほどハァハァ言いながら、体中の筋肉がパンパンになっても息を切らしながら釣りの話しをする。

PB020676.JPG

やっとの思いで駐車場へ辿り着く。
行きとは反対で、帰りはオヤジの勝利。D君を置き去りにしてきた(笑)

二人で雨で濡れた駐車場へ座り込む。
どっとした疲れと同時に、久しぶりに味わう充実感。

暗いうちから、暴風雨の中を何分もかけて崖を降りる。
そして手にしたのは30cmの黒鯛1尾。
でも、この気心の知れた仲間との充実感は、いくらお金を払っても簡単には得られない物。

あぁ、そう言えば今週も仕事、家庭で色々あったけど・・・なんか全部吹っ飛んだぞ。
帰ったら女房に謝ろう(笑)

やはり釣りはいいな。うん。

▲

コメント

投稿 : なべ|2008-11-04

もうMとか、ヘンタイとかの次元を超越してますなヾ( ´ー`) 
 
な:釣りに行っても… 
妻:あ゙? 

 
で、一蹴され釣り道具すら触れない日々が続いてまして… 
なんだかな−
たった2週間でイライラが募りっぱなしです 

 
…来週に発憤しよ 
なべVSサバで(Θ_Θ)ノシ

投稿 : T|2008-11-04

こちらも親父さんと「冬の海になったなぁ〜。」
でも表面だけ。そのとおり。フグだらけ。

しかし、がんばってますな。
昆布まででも今はフウフウいってます。

ところで、あれから1年経ちました。早いものですね。
本日、マグロの届ける日であったのに・・・。
この荒れ模様だと厳しいですね。でも、近いうちに届くでしょう(笑)

おめでとうございます。今日は楽しい1日ですね。
竿持たせるのはまだ早いですよ。
では、マグロの漁に出かけます。

投稿 : きし|2008-11-05

>なべちゃん
次元を超越?いやいや、まだまだ本領発揮はこれからの季節(笑)
んでも、厳しいときこそ竿出せば得るものも多し!
これは事実です。
いつも厳しくても困るけどねぇ〜(笑)

来週行くんでしょ?(^^)
僕は行けませんが、大いに楽しんできてくださいませ。
あのクーラーを満タンにして、嫁さんにギャフンと(爆)

投稿 : きし|2008-11-05

>Tさん
ほんとね、水温は去年と一緒なんだけど不思議だなぁ。
1年、本当に早かったです。
去年のあのときの事は、懐かしささえ感じますね・・・歳だなぁ。

マグロお待ちしていますが、無理なさらずに(笑)
あの竿だったら捕れるでしょうね(^^)

民さんの会には、なるべく出れるように調整していますが
1番の問題は給料日前だったりもする(笑)
行けた時はよろしくですm(_ _)m
久々に磯でお話ししたいですね〜

投稿 : チヌ和|2008-11-05

お疲れ様でした!!遂に地磯?!孔雀?!筋肉痛ひどかったろうな(笑)

戸澤のピー君サイズか(^_^)(笑)すっころんだか(爆)彼らしいな(^_^)

おとうちゃんあまり無理しない方がいいよ?!(笑)もう二度といかないだろうなぁ(爆)今度行くなら是非(^_^)/~

投稿 : バカ旦那|2008-11-05

ホントに・・・・・よくもまぁ毎日毎日シケますな〜(苦笑)。
きしさん・Dボーイ君の健脚チームは孔雀。そしておいらとtomiさんの軟弱チームは今日剣崎へ。。

でもヘロヘロ度は多分一緒。 休みながら上がってきました(笑)。
そして絶対明日は筋肉痛(爆)。

来週は渡船したいな〜。。

投稿 : Dボーイ|2008-11-05

先日はお疲れ様でした(笑)。

小あじの水没写真よかったら現像してもらえませんか?あの写真オレ的にすごくカッコエエ!!

最近休みという休みを全て釣りに費やし過ぎたのか、「Dちゃんは釣りをするか、寝てるかのどっちかだ!いいかげんにしなさい(怒)」と、彼女がとうとうプッツン!でもオレも言い分があるのに・・・わかってくれないかな・・・

奥さんとは和解できましたか?

投稿 : 大ちゃん|2008-11-06

みなさん、ホント!! 凄すぎだッス(@_@;)

でも、いざと言う時にポイントが、多い人って
やっぱ釣ってきますよね!

自分は、当日
大会のくせに
兄さん・チヌ和さんと、ゆ〜くりお茶してました^_^;

時折の暴風雨・雷で
「きしさん、何としてらべや〜〜」って・・・^^

投稿 : きし|2008-11-06

>チュヌ和さん
昨日まで又に何かが挟まったような歩き方してました(笑)
ようやく普通に階段下りれるかな(^^;

>もう二度といかないだろうなぁ(爆)
いやいや、これがスタートでっせ。
正月は川まで着いて行くからね・・・多分(笑)

しかし歳食ったなぁ。
友ちゃんはなんで大丈夫なの?
俺より絶対に不摂生してると思うけど(爆)

投稿 : きし|2008-11-06

>若
昨日はお疲れさんでした(^^)
やはり無理とは言わず、1度孔雀行って見ます?
大桟橋の駐車場に代行車待たせておいて(笑)

来週の水曜日は今んとこ大丈夫そうだけど
ちょっと南が吹くかな?
それとも皆で崖降りたら?(笑)

投稿 : きし|2008-11-06

>D君
ありがとさんでしたm(_ _)m
おもしぇがったすなぁ。

んで、怒られたの?
あんなに優しい声で電話しているのにねぇ。
やはり、釣りしていない時は全身全霊を傾けて奉仕する事。
もちろん、夜間の部も(笑)
という自分もまだまだだけど(^^;
でもようやく機嫌が治ったよ。もうひと押しで今週も孔雀だ(笑)

写真。
あとでCDに焼いてあげるね。
またお願いしますm(_ _)m

投稿 : きし|2008-11-06

>大ちゃん
のんびりした日曜日を過ごされたようで(笑)

>「きしさん、何としてらべや〜〜」って・・・

勺とバッカンとエサ入れ流されてました(爆)

水曜日はお願いしますね。
こちらにも参加表明が届いてますので、若に連絡しておきます。
波が上がり・・・いや、落ちますように(笑)

投稿 : チュヌ和|2008-11-06

チュヌ(笑)岸兄!鍛え方が違います!夜の部2回戦…いや…3回戦若いのとしてたらOK(^^)v(笑)

しかも前日ね!!(爆)お正月?!いいですよん(^_^)荷物と釣れた魚よろしく(^_^)/~(笑)

あ!!奥さん若かったね(^_^;)

投稿 : きし|2008-11-07

>チュヌ和さん

いや、かみさんは3ヒロです(笑)

正月楽しみにしてます。
荷物は持つから、僕の年無し3尾持ってね(笑)

しかし毎日シケますなぁ。

どこ降りようか・・・・。

水曜日のために、エサトリの活性を上げてこなくては(笑)

皆さん、頑張って下さいな。

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きし

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幼き頃の投げ釣りに始まり、途中空白期間を経て20代後半から本格的に海釣りを再開する。
黒鯛、メジナ、真鯛を求めて通年海へ通う。年間釣行日数60日

ホームグラウンド
男鹿半島加茂沖磯(フカセ)
船川港(紀州釣り)

・紀州釣りクラブFreedom East所属
・マルキューフィールドテスター
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