2008
09/26

第2回 紀州釣り大会

釣行記 / comment : 12 / trackback : 0

大会2日前から天気予報を見る暇もなく、土曜日は好天だった事から安心しきっていた。
しかし・・・

海風へ着くと、店の前のノボリがバタバタと音を立ててなびいている。
ここでこの程度と言う事は、経験上、沖では15m近い強風だ・・・やばいなぁ。
でも参加者は続々と店を訪れており、受付やら賞品の準備、手伝い等で心配する暇もない。
とにかく進行しなくては。

和兄の助言を聞きながら、取り急ぎ参加者の皆さんには抽選後に渡船場へ向かってもらった。
風向きも船川にすれば最悪の南東風。
ようやく僕も準備を終え渡船場へ向かったが、沖では白波が轟々と音と立てていた。
取り合えず開会式は行い、しばらく待機してもらう事にはしたが・・・落ちなかったらどうしよう。
いまさら磯って訳にもいかないし、中提、1キロも同じ状況だろう。

そんな心配を察してか随時、和兄から電話連絡が入る。
「大丈夫だ、多分・・・二時間も待てば落ちる」
もう彼の長年の“勘”を信じるしかない。
由利本荘市や新潟からも多数の参加があり、遠方から早朝に集ってもらい申し訳ない気持ちで一杯だったが・・・
そんな心配が必要ないくらい、各々の車の周りや渡船場において釣り談義で盛り上がっていた。
ふぅ・・・良かった。

7時を過ぎた頃だったか、徐々に風向きが変わり始め、和兄から「あと30分」と連絡が入った。
そうして、ビタリ30分で出船可能な状況に・・・さすが海男。

兄、父さん、二艘の海風丸で先発陣が出船。
僕は段取り等の事もあり、あえて二番だったので会費と賞品の段取りをし、ようやく船に乗ったのは8時近かった。
船に乗り込み沖を目指し・・・沖堤で先発陣が竿を出しているのを確認して一安心。
肩の力が抜けると同時に、何だかどっと疲れと眠気がやって来た。
いかんいかん、気を抜くのはまだまだ先。気を入れなおす。

僕らは通称“二番”と呼ばれる沖から200m程戻った場所へ渡船した。前日、永易さんやバクさんらが竿を出した場所である。
同船の方々が場所を決めたのを確認してから、今日もヨ〜ジ君と並んで竿を出すことにした。
前日の感じからいって、魚は少ない。これだけの人数だし、ある程度の魚は確保する必要があるだろう。

P9210530.JPG


いつもより若干集魚強めの団子でスタートしたが・・・あれ?棚を取って、餌を付けた一投目からオキアミは見事に取られる。
まだまだウネリと風が強く、アタリもはっきり出ないので何ともいえないが・・・
また、普段なら根がかってもおかしくないゾーンへ投入しても全く根がかりしない(10m以内は根がかるが)
おそらく、大きなウネリによってエサが舞っているのだろう。
これだけのウネリだと通常は渡船しないことが多いので、初めて感じる事だった。
何も掴めないまま10時半を過ぎる。

初めこそオキアミが持たなかったが、やはり前日同様に安定はせず、残ってくる回数が増えだした。
最近の不調時は、チヌがエサトリに割って入って釣れる事が多かったので少し焦る。
言い換えると、しったげやる気のある魚だけが食ってくる。なのでこのまま午後を迎えても状況が好転する事は無いだろう。
潮も完全な2枚・・・手前は風の影響も少ないか?
と考え、団子も調整しながら仕掛けを寝かせ、ウキを手前においてテンションを掛ける。
前日などのベタ凪時は、こうすると障害物にハリスが当たるのか、アタリがはっきりしない事が多いけど、今日はそうでもなかった。

エサトリが一瞬きつくなり、連荘でオキアミが取られた次の一投。
「食わせ丸エビ」の剥き身を付け、渾身の力で握った団子が40秒で割られる・・・次の瞬間、永易ウキが鯵でも食ったかのように「ズバッッ!!!」と入る。
待望の1尾目。
でも連荘もせず、しばらくするとまたオキアミが戻ってくるようになった。

ふぅ・・・張っていた気持ちがどんどん体から抜けていくのが自分でも分かる。

「よっちぃ、今日も厳しいなぁ」
「んだすな・・・んでも頑張って一緒にデカイの釣りましょ!!」
と言った彼の顔も魂が抜けたような表情だった(笑)

P9210533.JPG


昼過ぎにはようやくウネリと風が収まり、いつもの釣りが出来るようになるものの、根がかり多発。
やはり午前中はかなり餌が動いていたのだろう。
そして急激にエサトリの活性が上がり、少し期待したのだが・・・いつまでも続くカツカツしたアタリ。ウキを引き込まない。

・・・これは・・・アレだな。

予想通りサンバソウ(シマダイ)だった。それも相当数寄せてしまったようで、コーンすら全く残らないし、本命の気配も全く感じられない。
失敗したな・・・団子か?
過去の経験上、僕にはサンバソウに対する有効な決め手が無い。
締めれば締めるほどしつこくなるし、崩壊を早めて散らそうともしたけど上手く行かなかった。

こりゃ・・・きついな。

去年のように全滅に近いか?と心配しながらやっていたが、随時情報が入ってきて厳しいながらも何枚かは上がっているらしい。
ふぅ・・・良かった。何とか表彰式は形になりそうだな。
もう2時を過ぎた頃で限界だった。

裏でフカセしていた釣友のこだま君、たくま君、たかお君と談笑したり、他の参加者へ声を掛けに行ったり。
「きしさ〜ん、大会飽きだがぁ〜フカセやるがぁ?(笑)」なんて、からかわれた。
そんなんじゃないんだけどね。まだ大会中だから気を抜いた行動はまずい事なんだけど、何だか既に満足感なのだ。

僕からちょっと離れた処にいた、マケさん、ターチさん、ふくさんは、超根がかりポイント。

P9210534.JPG


1番厳しい場所へ入ってしまったようだ・・・う〜ん・・・何とも・・・
遠くではバクさんが大遠投しているのが見える。
てつさん、なおさんはどうだったかな・・・

先端では、今年から団子を初め、毎週の様に船川へ通いメキメキと力を付けた工藤君の竿が曲がる。
「おっしゃ!やった!工藤君!!」
あの状況での一尾は価値がある。彼はこれからもどんどん上達するだろう。

二番船で上がったが、閉会式のお手伝いのため1番船で早上がりすることにした。
というか、あの状況は打破出来ないって諦めの気持ちも正直あった。

永易さんから賞品を頂き、店の前で検量の準備を手伝う。

そして続々と参加者が店へ戻ってきて検量が始まった。

いきなりのビックワンは地元から出場の山本さん。
いつも型を揃えてくる彼は、今日も42cmを釣ってきていた。

梶さん4尾(規定サイズ2尾)、バクさん2尾・・・やはり厳しい。

そして1回目の驚き!といっちゃ失礼なんだけど、小林なおき君が36cmを含む2尾。
仕事の多忙や転勤が重なって、僕らなんかより遥かに釣行回数が少ない彼。
それでもMFGの連覇を初め、マルキュー紀州釣り大会2位など、大きな大会では必ずといって良いほど上位に食い込んでくる。
当日の型は殆どが23cm〜28cm程度の小型。
そんな中で、初めての釣り場(前日は外向き)でこのサイズを引きずり出す。
競輪、競艇、競馬を趣味とする彼は「ギャンブラーなおき」としても名高いが・・・
ちなみに前日は釣った鯵を針に付けたまま、アオリイカと遊んでいた男だ。
・・・なんやねん、この引きの強さは(笑)
まさか男鹿大会でも発揮するとは・・・さすがだ。これも本当に実力だ。おめでとう。

んで、一同アッケラカンとしてしまったのが永易さん。

なんと・・・呆れてしまった12尾。

あの状況で4連荘もあったそうだ。

団子の配合や締め具合なんかは「うんうん」って感じで、「そうか、今日はそんな配合があってたんだ」で済む話なんだけど、問題は攻め方。
これは理解できない・・・いや、理解は出来るけどそんな発想は絶対に僕には出来ない。

ご存知の通り、沖堤は殆どの場所が15m先までは根がかり地帯である。
なので普通の紀州釣り師は、必ず遠投する。必ずだ。
初めてここへ来た人でも、根がかりを嫌って徐々に沖へ入れ、団子と仕掛けが安定する場所を探して、そこで釣りを展開するはずだ。

今日は確かに魚が薄く、フカセでも「底に変化の多い場所に魚が着く」ってのが定説である。
だからといって、毎回根がかりして針を取られる場所で釣りが出来る?

隣で梶さんが見ていたそうだが、針2パックは消費するペースだったそうだ。

永易さん曰く・・・
「根がかり覚悟で底の荒い場所で釣りを続け、少しでも反応が良いと感じたときに前へ出して釣りました」
「今日は人間の都合の良い、やり易い釣り方をしていたのでは数は出ません」

元々、遠い存在の人だけど・・・見えなくなっちゃった(笑)

「セオリーにとらわれ過ぎると駄目」とは良く聞く言葉だけど、無視できるセオリーと、そうでないセオリーがあると思う。

う〜む・・・やはり変・・・いや、なんて人だ。すげぇなぁ・・・ステキ(笑)

以下、閉会式の模様を少々。
僕はホッとしたのか疲れたのか、顔から額から、かなぁ〜り脂ギッシュになってます(笑)

P9210536.JPG


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P9210553.JPG


バクさんはすっかり和兄と仲良しに。
「来年また来ますわ!来年は80m投げんと釣りにならん所で大会やりましょ(笑)」
「わがったっす!鵜ノ崎でやるが(大笑)」
友ちゃん始め、家族の方々へ挨拶を済ませて帰路へついた。

ふぅ・・・終ったなぁ。

車中では更に詳しく永易さんの話を聞く。
隣では前日同様に、バクさんがグゥグゥ。いつも発車後2分で寝る(笑)
何か、ずっと前から何度も経験したような不思議な感覚。

そして今日も宴会。
話題は大会や釣りの話しがメインと思いきや、今日も女房が混ざって漫才劇場。
何とも楽しい仲間達である。

なおき君は、大会2位の賞品を僕にくれ、寝台特急で大阪へ向かった。

そして深夜まで。さすがに僕は目も開けられない状態だったけど最後まで頑張った♪

翌朝は哲さんを空港まで送り届け、再会を約束して別れる。
本当に楽しいんだけど、いつもこの瞬間は嫌いだ。

そして昼前には全員が帰路へつき・・・家が広くなった。

楽しかったなぁ。夢のような3日間だった。

また来年。宜しくお願いします!

***********************************

という事で、皆様のお陰で無事に大会を終えることが出来ました。
ちょっと状況が厳しかったのが心残りですが・・・

また、今回も反省点・改善の余地が多々見えています。
例えば、中堤、ドルフィンも使うべきだったのかや、沖堤での釣り座選択、レギュレーションなどに関して。
色々検討して、また来年も開催すると思いますので、何卒よろしくお願いいたします。

そして海風の皆様。
今年も色々とご難儀かけましたm(_ _)m 来年もご協力のほど、宜しくお願いします。

大会開催日に毎年厳しいのは、完璧に僕の普段の行いだと思いますんで
来年の開催日は兄にお任せします(笑)

以上、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。

▲

コメント

投稿 : some|2008-09-26

いやあ、本当にお疲れ様でしたと言いたいです、奥さんに。(爆)

無視できるセオリーとそうでないセオリー・・・いい言葉だ。

永易さんと何回か一緒に釣りをして感心ばかりしてるんだけど彼は少年の気持ちを握りこんで釣りをしている、と感じる。

おそらくかなりの確率で釣れることはわかっていた。
「びっくりさせたろ」

そんな気持ちもあったかもしれない。(笑)

ばくさんの遠投もそうだ。(爆)

ガキの頃を思い出させてくれる人っていいよね。


投稿 : きし|2008-09-26

いやぁ・・・女房は素直に毎日楽しんでましたよ。
僕の普段の行いがいいからねぇ(笑)

この歳で、あんなに楽しい友が出来て・・・
あんな感動を味わって
子供の頃の気持ちに戻れて・・・
あんなに楽しくお酒が飲めて(笑)
バクさんの大遠投に鼻垂らすだけ驚いて・・・
永易さんはやっぱり凄くて感動したし。

それで夜は普通に楽しく大宴会。

やはり釣りっていいですね(^^)

いやぁ・・・面白かったなぁ・・・まだ気分が抜けてない(笑)

投稿 : やむちゃ|2008-09-26

お迎えから見送りまで・・・3日間!?ご苦労さんでした。

来年こそは!絶対に出るぞ〜(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!

投稿 : ヨージ|2008-09-27

きしさん!ホントお疲れ様でした☆
そして2週連続でご迷惑かけました 笑

『ビンビンですわぁ〜』を肝に銘じこれからも
がんばっていきたいですね♪

またの機会にかんぱーい 笑

投稿 : なおき|2008-09-27

きしさん、お疲れ様でした。
こちらも釣り、食事、なまはげ(笑)、すべての
余韻を引きずっています。ほんとに楽しかったです。
来年も必ず行きますよ。今から飛行機、おさえとこかな。

投稿 : tomi|2008-09-28

大会も皆さんすごく楽しめたようで、なによりでした。

僕もぼちぼち磯に発動しようかと。
とりあえずは、今日グレパン買い込みました・・が
ダンゴは握れないかと思われます(笑)

火曜日くらいに早速行ってまいります。

・・HN変えました・・

投稿 : きし|2008-09-29

>やむちゃさん

来年も早めに予定発表しますんで。
是非、参加してくださいね〜
一緒に盛り上げましょ(^^)

投稿 : きし|2008-09-29

>なおちゃん

おもしぇがったすなぁ(^^)
大会といわず、いつでもいらして下さいね。
来年は「カヌーで紀州釣り」ってのも考えていますんで(笑)

バック、ありがとうございましたm(_ _)m
来年も賞品ゲットの程、宜しくお願いします(笑)

東京出張の際は宜しくお願いします(^^)

投稿 : きし|2008-09-29

>よ〜じ君
受付、お土産、差し入れなどなど、こちらこそありがとさんでしたm(_ _)m
昨日もア○ゴごちそうになりました。
しったげうめぇ〜っすな。

またお願いしますね。

んで、週末はいつでも気楽に遊びに来てください。
まだ渡すものもあるしね。
師匠にも宜しくお伝え下さい。
・・・イカの差し入れ待ってます(笑)


投稿 : きし|2008-09-29

>tomiさん(笑)
「sori」の方が僕的には良いと思うけど(爆)

そろそろ始まりますね。
この時化で、バーサーも吹っ飛んで行った事でしょう。
僕はもう少し紀州釣りですが、朗報を期待してますぞ。
若&高は水曜に出撃だそうです(^^)

あ、大会案内のメールしましたんで、ご覧下さい。

んで、グレパン団子。
沈まんでしょうなぁ(笑)

投稿 : 海風・兄|2008-10-02

大会の際は本当にご苦労さんでやんしたm(__)m
あまりの悪天候でお待ちいただいたあげく、渡船中に波の影響を考慮し船付け順番を変えてしまうなど、大変ご迷惑をおかけしましたがご参加下さった皆様のご協力のおかげでなんとか無事終了することが出来ました。
この場を借りて厚く御礼申し上げますm(__)m
それにしても初めて本場の紀州釣りというのを拝見しましたがみなさん凄過ぎ・・・(@_@;)(みなさん投げるは釣るはのお祭り騒ぎ!!!)
正直、紀州釣りに対する認識が大きく変わりました。
来年以降も開催するとのことで、今から非常に楽しみです(^^♪
ご要望にお答えしまして、来年以降の開催日時は行いの悪いきしさんに変わって私が決めさせていただきますので(笑)

投稿 : きし|2008-10-03

>兄
こちらこそ本当にありがとさんでしたm(_ _)m
終始、ドタバタしてすみません(笑)

んでも、あの出船、時間の判断はさすがでしたねぇ。
永易さんは車で寝てるし、僕はアタフタするし焦ってました(^^;

んで、本場は凄かったでしょ?
僕も始めてみた瞬間にファンになりましたもんね〜
将来的に、秋田でもあんな方々が増える事を祈りながら
また来年も大集合しますんで、何とぞよろしくお願いします。

開催日は・・・お願いします。
そんなに行い悪くはないんだけどなぁ・・・最近は(笑)

ありがとうございました。


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きし

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幼き頃の投げ釣りに始まり、途中空白期間を経て20代後半から本格的に海釣りを再開する。
黒鯛、メジナ、真鯛を求めて通年海へ通う。年間釣行日数60日

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