2008
08/08

若者との２日間

釣行記 / comment : 18 / trackback : 0

とある蒸し暑い日。
オキアミ数キロを背負い、潮瀬埼先端に辿り着いた。
10分もかからない平坦な道のりなんだけど、磯場へ着く頃には滝のような大汗。
でも、夏の釣りはこれが何とも気持ちがいい。
フゥフゥ言いながら呼吸を整え、ポカリを飲み干し磯の先端へ立つ。
行った事がある方ならご存知かと思うが、潮瀬先端からの景色は絶景なんだけど・・・こりゃちょっと・・・。

泥色をした海水の激流。
男鹿半島ではトップクラスの潮流を誇る潮瀬埼であるが、こんなに速い流れは始めてみた。しかも泥色。
うわぁぁ・・・どうすっか。しばし海を見ながら唖然。
んでも折角歩いてきたんだし。少しやってみるか。

コマセを作り仕掛けを作り、第１投・・・あぁ、やはり。
こんな水色の濁流でも、海面はサバだらけ。まだ一杯のコマセなのにもの凄い数である。
こりゃメジナなんてとんでもないな。あぁ〜あ、なんとすっかなぁ・・・。
と、人の気配を感じて振り向くと「おぉぉぉ！こんちは（笑）」
チーム海風の若手磯師、小笠原君だった。
こんな時は、移動するにも釣りを続けるにも、仲間が頼もしい存在となる。
「きしさん、しっかしすんげぇ〜濁流だすな。初めて見ました（笑）」
「んだすべ、俺も（笑）」
「う〜ん、別さ行ってみねすか？」
ワイワイ相談の結果、門前テトラへ移動することにした。あそこは比較的川水の影響を受け難いって事からの判断なんだけど・・・

門前テトラ到着。水色は“やや改善”
でも海の中はやはり一緒。一投目こそ何も居なかったが「うわわわわわわ、来た来た（笑）」
瞬く間に数百匹？のサバの群れに囲まれた。

「さて、きしさん。次はどごさ行くすか（笑）」
やはり、海風の若者達は僕と波長がピッタンコである。
今日はおそらく何処へ行ってもサバだろう。
でも彼らからは「今日は暑いし水も悪いしサバだらけだから止めて帰りますか」なんて発言は皆無。
例えどんなに状況が悪くても、許せる時間の限り竿を振るだろう。
純粋に海が、釣りが好きな仲間達である。

「おし、へば一気に北へいぐすか。時間大丈夫？（笑）」
再び重い荷物を「ふぅふぅ」言いながら車へ詰め込み、門前漁港を後にする。
三度目の磯替え。こんな事も実に久しぶり。
ブーツ、グローブ、ヒップガードを装着したままの運転。なんだかとても懐かしい。
若い頃は、剣崎地磯〜天ヶ崎〜孔雀なんてよくやったもんだ。思えば無茶したなぁ。もう体力的に出来んけど。

最北端の漁港へ到着。
やはりここまで来ると水色は綺麗。でも、確実に居るだろうな。
１投目こそ何も居なかったけど、やはり徐々に・・・サバ。何処へ投げてもサバ。
いったい、現時点で男鹿には何万匹のサバが居るんだろう。
でもエサトリであっても、こんなに魚影が濃いって事は良い事だ。
先日散歩で行った秋田港なんて、なぁ〜んにも居なかったからね。

程なくすると、小笠原君の場所では徐々にコッパが見えてきた。やはり水は良いんだろうな。
でも80匹のサバの下に5匹のグレって感じ。

こっちはまだ視認出来なかったけど、このエリアにグレが居るって事は分かった。
重めの仕掛けで3ヒロチョイを探ってみる。
ここはテトラが結構沖まで沈んでいて、所々に穴がある。
その「穴」をローショ・・・いや、ローテーションしながらちょしていると、餌残りスポットを発見。
ん？何かいだべが・・・お？触った・・・アワセ！！
グーーーンと、久しぶりに使ったアテンダーが気持ちよく絞り込まれる。
「おっ！！！小笠原君！いい奴きた！！・・・いや、ち、やっぱ違う（笑）」

う〜ん・・・コイツが居たからこっちはメジナが浮かなかったんだ。
素直なもんで、そいつを釣り上げてから間もなくすると薄っすらとメジナが見えてきた。
んでも更にサバも倍増。しかしどっからこんなに集ってくんのかね。

二人で「くそぉ！」「あぁぁ、目の前まで通ったのに（笑）」
なんてワイワイやりながら、あっという間に日が傾き・・・
「ほんじゃ、今日はありがとうございました」
「うん、また何処かでね」

本当に蒸し暑かったが、気持ちの良い夏の１日が終った。

翌週、今度は早起きしてサファリへ紀州釣りセットを詰め込む。
猛暑を予想してタンクトップで外へ出たものの、肌寒くてもう一枚Ｔシャツを着込んだ。
たった一週間なんだけど、同じ時間なのに先週より薄暗く・・・シーンとした庭からは虫の声。
もう秋が近いんだなぁ。

相変わらずの笑顔なんだけど、夜釣りで眠そうな兄と雑談し、いつもより少し早めに海風丸へ乗り込む。
目指すはまたもや沖堤。
上向きではあれど、まだ状況はあまり良くはないらし。でも、難易度が高ければ高いほど面白いのが釣り。
今日も厳しければいいなぁ・・・って、やはり最近変な方向に進んでるか？
まぁ、いいさ。

沖堤へ上がる。確かに水色は前回より良く見える。

僕を下ろして、目の前でいきなり和兄が70ｃｍクラスのスズキを掛ける。
僕も昔はルアーで鱸に凝った事あったけど、彼の釣りは次元が違う・・・変態の域だ。

さて、こっちも始めるか。
今日も初めは集魚薄めで、紀州マッハベースの団子をしっかり握って投げる。
前回の場所より底が荒いらしく、思いっきり投げてみる・・・といっても20ｍチョイだけどね。
何でもそうだけど「思いっきり」は気持ちが良い。

開始2時間。ようやく反応が出てきた。
ただ、前回と違って向かい風がきつくウネリも少々あり、永易ウキＳ浮力だと少し厳しい感じ。
ウキをＭに（僕もＭだけど・笑）変えて釣りを続ける。

沖の流れも速まってきたので、ウキを手前に置く。
「ズバッ！！」と永易ウキが入って、１尾目。
エサトリも小アジが主体で、僕レベルでもしっかり握っていればそんなに無理しなくても1分半は持つ状況。
近くに上がった若者と談笑を交えながら、ポツポツと数を伸ばす。
彼も永易流にはかなり興味津々で、熱心に質問を浴びせてくる。僕が昔悩んだ質問なんかも飛び出し、何だか懐かしさにも浸りながら会話が弾む。
彼は0.8号のカヤウキを使っていたが、おそらく今日の状況ではアタリも取り難いだろう。
仕掛けを説明し、永易ウキをプレゼント。
んで、ズバッ！！と彼のウキも入って、待望の１尾目。

「すんげぇ！！このウキ凄いっす！！（笑）」

ワイワイガヤガヤ・・・

もうちょっと風が落ちれば、もっと分かり易く説明できるんだけど・・・
想いに反して、さらに波風が強くなり・・・さらに潮が沖から当たってくるようになると、フグのお出まし。
餌を止める、団子を持たすことが困難な状況に。

それでも、アミエビ無し、マッハ単体の団子を耳鳴りがするほどガッツリ締めて・・・何とか2尾追加したところで団子切れ。

ふぅ・・・くたびれた。
んでも今日も楽しかったな。後半は難しかったし。
それにまた若い仲間が増えそうだ。

さて、明日から９日間の夏休みが始まる。
え？９日間釣り？
・・・殺されますわ（笑）

2008年の夏も間もなく終わり。

皆さんも、良い夏休みをお過ごし下さいませ。